急浮上!TPPで生協は駆逐される!?

 皆さんは今、日本が“TPP”に参加するかしないかっていうことが大問題になっているってこと、ご存知ですか?TPPとは、「環太平洋戦略的経済連携協定」っていうものの略なんだけど、要は例外品目なしに100%の貿易完全自由化をめざし、ヒト・モノ・サービスのすべての関税を撤廃するというもの。
 おやおや??いつかどこかで似たようなことがあったような…

 そういえば、昔、コメやオレンジ、牛肉の輸入自由化問題の時にも、大方同じ理屈で市場開放が進められたことがあったよなぁ。当時の自由化前のデータと比較したものがないからあくまで想像だけど、それをやってコメ農家やオレンジ生産者、畜産農家の競争力が強化されて発展した…なんてことは全く無くて、むしろ価格暴落による第一次産業の破壊が一層進んだと感じるのは気のせいでしょうか?
 その時、我が生協陣営はなんて言ってたっけ?消費者に安い商品が供給できるようになる…とか、国際分業化によってより安価なコストで商品の調達ができる…とか、言ってたような気がするんだけど、違うかな。

 もし、このTPPに日本が参加することになったら、農水省自身の試算が示しているように、第一次産業に甚大な被害が及ぶことは間違いないでしょうね。生協が曲がりなりにも唱えている“食糧自給率の向上”なんて、TPPの前では木端微塵に吹き飛ばされるってもんだ。まぁ、“経営が厳しい!”とか“店舗の赤字が…”なんて、そんなことで悩んでいられるのは今のうちって感じでしょうか…。TPPに参加が決まれば、まさに生協の存在価値そのものが真正面から問われる時代に一気に突入する(今までは、そんなことはまだ考える余裕があったうちでしょう)ことになるんじゃないかな。

 さすがに農協中央会(JA新聞より)は、11/10にTPP阻止緊急決起集会の開催を計画、すでに10/21には反対声明も出しています。我が生協陣営は???…あった、あった…ん?パルシステム連合会?ちょっと論調は弱いけど、TPP参加は慎重に検討するよう求めているそうだ。(全労連の談話はこちら

 あれ?日生協はどこだ??日生協のHP内をあれこれ探すも、遂にTPPのTの字一つ見つけられなかった。まさか、過去の繰り返しを犯すつもりじゃぁないでしょうね。これほど大きな政治的かつ政策的な問題は、単協の取り組みももちろん大切だけど、連合会である日生協が“断固阻止”の御旗を振らないでどうする!って感じ。

 ホントこのまま何もしないで事態が進んだら、もう生協としての現代的価値は無いも同然!…と言われても言い訳できないよ!もちろん、今の生協は、いわゆる競争によってのみ生き残る道を探っているとしたら、それも当然のことかもしれないけどね。

 ずいぶんと私の主観も入っています…が、とにかく、もうその時は遅いかもしれないけど、今度の労連執行委員会での提起や12月の政策研究集会では日生協専務に対し、この問題で討論してきたいと思っています。

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急浮上!TPPで生協は駆逐される!? への2件のフィードバック

  1. アナログおばさん のコメント:

    赤い彗星さん、よくいってくれた!
    そうだ!おかやまコープが動かねば、我々が組合員と一緒に運動を起こそうじゃないですか!他団体とも手を結んで全国でうねりを起こそうよ。岡山県が試算を発表していたが、TPP参加で岡山県の農産物生産額は582億円減で2008年度の生産額(1294億円)の45パーセントになるんだってさ、おそろしいね。

  2. 赤い彗星 のコメント:

     TPPについての正確な知識がないのにコメントは控えるべきでしょうが一言。
     nishizakiさんのコメントにはかなり主観が含まれているようですが、大筋では同意見です。
     生協は、消費者運動の日本最大組織です。その生協が、食糧問題に対してどのようなスタンスで発言するのかは、注目に値します。日生協がどうかということもありますが、単協もどのようなスタンスに立つのかが問われていると思います。岡山の農業関係者の中にも様々な意見があると思いますが、農協はとにかく行動は起こした。生協は「じっと様子見」ではすまないでしょう。次回の「協働」にTPPに対する理事会声明が載ることを期待しています。
     テレビの報道でも工業vs.農業、消費者vs.生産者、といったような視点で、消費者にとっては「牛肉が安くなる」「安い農産物が手に入る」「物価が安くなる」的な報道姿勢が目につきます。私は、こうした報道には疑問を感じます。農業問題は食糧問題であり、国民の命の問題だと思います。もう少し、食糧安全保障という視点で議論が必要だと思います。「安全保障」というと戦争を連想するかもしれませんが、そうではなく(それもありますが)、今後地球上の人口は増加する傾向にあり、環境問題でも地球の砂漠化…などということも語られています。今後世界的には食料不足になるといわれています。今でもかなりの飢餓人口があるのに、将来は国家による食料の「囲い込み」が進むとの予想されています。これまでと同じように農産物が海外から安く調達できるとは限らないと思います。そのとき、日本の農業が壊滅的な打撃を受けているとしたら…。「汝臣民飢えて死ね」ということになるのでは…。長期的な視点で国民に食料を保証する政策を国家は考えるべきだと思います。
     生協が、「安全・安心」だけではなく、食糧安全保障という視点を持って、消費者の世論をリードする必要があると思うのですが、偏りすぎでしょうか?

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