東北関東大震災の被害が甚大で、これからも救援や復興に莫大な費用がかかることは明白なのに、まさにそのさなかに政府は、在日米軍への「思いやり」予算を今後5年間でほぼ1兆円にも上る額を税金から出し続ける特別協定を成立させようとしているとか…。その理由に、「米軍が震災支援にあたっているから」などと政府はのたまわっているそうだが、未曽有の大災害として当然やるべき支援と、「思いやり」予算とを絡めること自体が大きな間違いだ。
その一方で、正式名称はともかく、“震災復興税”なるものの必要性を主張する論調も現れ、世論も一定の支持を示すなどという記事も見られるが、こうした思いやり予算(1858億円)や、見直しの検討はしているようだが法人税減税や資産家への減税措置(約2兆円)もまだそのままだし、政党助成金(320億円)だって返上するといった政党もいない(共産党はそもそも受け取っていない)という状況を知れば…どうなんでしょうかねぇ、そんなに単純に増税に賛成するとは思えないんですけど。これらをすべて復興に回してもまだ不足するというなら、この私でさえ“復興税”にはもろ手を挙げて賛成なんですけどね。
そういえば、“どさくさに紛れて”ということで言えば、TPPや消費税増税の問題も消えてはいない。先日の官房長官記者会見では、6月の方針確定は延期の可能性はあるものの、「高齢化や少子化の進行は震災とは関係なく、将来の税と社会保障のの一体改革は必要」であると強調し、「自由貿易の進行も、日本の事情で待ってはくれない」として可能な範囲でTPP参加へ向けた情報収集を進めているという。
被災者支援をすすめつつ、やはりTPP参加反対、消費税増税反対の取り組みも手を緩めるわけにはいかない。