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皆さん、ぜひ教えてください!

 私も労組専従になって10余年…、つまり現場から久しく遠ざかっているわけで、最近は自分が感じている職場の実態は本当に正しい感覚なのだろうかとふと疑問に思うことがある。つまり、こういう仕事をやってると、聞こえてくる話(職場の情報)っていうのは比較的ネガティブな話が多くなる。一応それを念頭に置いて話(情報)を聞いているつもりなのだが、それでも今のおかやまコープの職場風土は異常だと私には思えてくるのだ。それが本当にそうなのか、現場の皆さんはどう感じておられるのだろう?それをぜひ教えてほしいのだ。

 昨日の出張の往復を利用して、『「顧客満足」の失敗学』(瀬戸川礼子著)という本を読み終えた。CS対策に失敗して破たんに至った、なんと岡山の住宅会社“シーアールホーム”が取り上げられ、その原因を分析している。細かくは書けないが、要はES(従業員満足)が決定的に不足していたということだ。
 ちなみに、CSというのは“カスタマー・サービス”の略ではない。“カスタマー・サティスファクション”が正解である。つまり、“サービス”ではなく“満足”ということだ。生協に置き換えれば、それは“組合員満足”ということだが、組合員への“サービス”ではない。真のCSの実現のためには、ESの向上が大前提だというのが本著作の一つの結論だが、春闘方針にも書いたように実はおかやまコープにもこのことが当てはまるのではないかと思っている。「組合員のために」とか「組合員へのお役立ち」とか、現場でよく語られる…というか、成果を出させようとするときにお題目のように語られる言葉だ。
 その一方、仲間から聞こえてくるのは、「上に対してものが言えない」職場風土、「経過よりも結果が評価される」風潮、「それゆえに要領の良いものが評価される」などといった声だ。労組に聞こえてくるのは、こんな声が多いから余計にそう思えてくるのだが、それはES…つまり従業員満足とは程遠い職場風土ということである。
 ただ、現場から離れて久しい私にとって、「それは本当にそうなのか?」という疑問も持っている。職場に行くと、結構みんな和気合いあいとやっているような雰囲気も見られるし、聞こえてくる声ほど切羽詰まった顔をしている職員ばかりではない。もちろん、そんな表情は腹の奥底にしまっているのだということかもしれないが、私自身、よくわからなくなることがある。職場によっても違うのかもしれない。
 そこで、ホントのところはどうなのか、ぜひ教えてほしいのである。つまりはこういうことだ。
⇒「私の職場では、私のことを大切にしてくれているし、信頼もされ必要としてくれている。」
⇒「部下の失敗を上司はカバー・フォローし、最終的な責任を負ってくれると同時に、私の成長のために厳しい助言もしてくれる」
⇒「私はこの職場にいて良かったと思うし、家族・知人・友人に自信を持って紹介、お勧めできる。」
これらの設問のすべてに、皆さんは「YES」と言えるのだろうか?それとも…?率直な声を聞かせてほしい…よろしくお願いいたします。

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お正月に思ったこと…

 今年の正月の3日営業は、理事会の断念によって行われなかった。正月営業が提起され、議論が始まったのはずいぶんと前だが、具体的な営業提案が出されたのは3年ほど前からだったと思う。労組内での議論も、“生協らしさ”を求めて“絶対反対”という意見から、家族との関係や新鮮な生鮮食品(特に市場との関係)の供給という思いからの“反対”もあれば、割増しなどの条件次第では“やむを得ない”という意見、もちろん組合員の選択肢の一つとなるべく“開店すべき”との意見もあった。

 結局、現在の執行部の立場は、「全面的な賛成ではないが、小売・流通業界の実状を鑑みれば、必要な条件を勝ち取ったうえで開店はやむを得ない」というものとなった。この方針に従って、理事会に要求も出し、回答も出された。2013年正月の3日営業に関する交渉は、この回答内容の評価からスタートする。
 さて、ここからは個人的な感想だが、正月に実家に帰り、2日に国道180号線を岡山方面に向かっていた途中のことである。まだ2日とあってか、コープ総社東はもちろん、営業しているスーパーはあまり見られない。おそらく明日(3日)から営業なのだろうと思っていると、わたなべ生鮮館が見えてきた。当然まだ営業しておらず、その駐車場入り口も施錠してあったのだが、看板がかかっているのが見えた。
『当店は卸売市場の初競りに合わせて、5日より営業いたします』
 私は正直驚いた。“専従のくせしてそんなことも知らなかったのか?”と言われればもう身もふたもないのだが、正直に言うと、わたなべ生鮮館もご多分に漏れず2日か3日辺りから営業しているものと思い込んでいた。ところがどっこい、こういうスーパーもあるんじゃないかと…。
 わたなべ生鮮館がどういう意図(戦略)でそうしているのか、本当のところはわからない。しかし、この看板を見て最初に感じるのは、“そうか、わたなべ生鮮館は競りが始まるのに合わせて、新鮮なものを扱っているのね”ということではなかろうか…。その実態(内情)は私には知るすべもないが、それが本当なら、他がどうあれ新鮮な生鮮品を売るという信念を貫く素晴らしい企業理念だと私は思う。これを見た人は、“なるほど、だから5日開店なのか”と納得するんではないだろうか。
 理事会に聞くと、「渡辺生鮮館は前からそうでしょう」と、さも当然のように答えた。理事会にすれば、“今時何を考えているんだ”とか思っているのかもしれない。しかし、この事実からわかることは、『3日(あるいは正月)を営業するかどうか』…この問題の本質は組合員の暮らしが正月も普段と変わらなくなっているだとか、開店を要望する声があるだとかいう問題ではなく、その企業の企業理念に基づくものではないのかということだ。
…だとすれば、おかやまコープの企業…おっと、協同組合的理念は何なんだろう…正月営業に関して。そんなことを目くるめく考えてしまう正月となった…。

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新年、明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 2011年は震災と原発事故によって、一言では言い尽くせない年でした。そして2012年は、その後(将来)の日本のあり方が問われるターニングポイントの年となりそうです。すべての国民が“この国に住んでいてよかった”と思える国となるのか否か、私たちの運動がそのカギを握っているといえそうです。

 生協の存在価値もますます問われるでしょう。何のために生協運動を進めているのか…、貧困と格差に国民が苦しんでいるさなか、更に大増税と市場開放(関税・非関税障壁の撤廃、自由化・規制緩和)によって暮らしが破壊されようとしているその時に…。
 生協に入協した頃を思い出します。“売上税”だったか、“大型間接税”だったかは忘れましたが、「導入反対!」の大きな垂れ幕(?)をトラックの前後、左右に張り付けて、署名をもって配達した頃がありました。当時も今ほどではないにしろ、税金(増税)に対して組合員にも様々な考え方があったはず。にもかかわらず、生協は「くらしを守る」一点で、増税反対の旗を高く掲げ、その運動の先頭を走っていました。
 反対運動をするだけが、生協運動だとは言いませんし、存在価値だとも言いません。しかし、あの当時以上に、今庶民の暮らしはどん底にあるのは間違いありません。そんな時でさえ、あの頃以上の運動ができないなんて、私には不思議としか言いようがないんです。
 日本の国のあり方が大きく問われる2012年、同様に国際協同組合年でもある2012年…、そして生協の存在価値が問われる2012年でもある気がしてならないのです。“なんだ、生協も結局ほかの流通と同じか…”なんて言われないように、今年1年、全力で頑張っていきたいと思います。

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出ました!「日本でいちばん大切にしたい会社」第3弾!

 先日、本屋に寄ったら、あの「日本でいちばん~」の第3弾が発刊されていて、早速購入、読み始めています。残念ながら今回も紹介されている会社の中に“生協”の文字はありませんでした。著者の坂本光司氏は、「プロローグ」の部分でこの間に寄せられた読者からの手紙(メール)を紹介、その中にアメリカで工場を経営している経営者から寄せられた手紙(メール)が紹介されていました。

 その方は、「坂本先生の主張する経営のあり方を読み、自分のしてきた経営方針は間違っていなかったと確信した」としてご自分の経験を書かれていました。その要旨はこんな感じです…
 アメリカの貧しい地域に立地しているこの工場に勤める労働者の大半は、地元の人。そんな時、工場の中でお弁当が盗まれる事件が多発。社長は、“もしかして、この人たちは朝ご飯を食べていないのかもしれない”と思い、「朝ご飯を食べてきた人?」と聞いてみたそうです。すると、ほとんどの労働者が食べていないのが判明。そんな労働者に、何とかお腹を満たせてあげることはできないかと思い、この社長は人事部長に「就業前や休憩時間に簡単に食べれて栄養のあるものはないか?」と聞いたそうです。すると「バナナだ」と…。そこで、食堂になんとバナナを置くことにしたそうです、もちろん無償で。
 すると、案の定すぐに無くなったそうです。そこで社長は、「ならば、箱ごと置こう」と提案します(なんという太っ腹!)が、人事部長からはその場で食べる分以上に家にまで持って帰るやつがいるからと大反対されたそうです。それでも、とにかく箱ごと置くことになったそうです。
 さて、結果は…、人事部長の言うとおり、バナナを家に持ち帰る労働者がいたそうです…
 その後の対応はどうなったか…。あなたならどうするでしょうか?このエピソードの続きは、ぜひ本を買って読んでみてください。私は、涙があふれて止まりませんでした。こんなにも労働者のことを考えてくれている経営者がこの世に本当に存在するのかと…。
 単純に比較すると怒られそうですけど、この秋闘で県北の積雪の時に必要な長靴の支給を要求しましたが、固定した経費増につながるとして拒んだ理事会と、どうしても比較してしまいます。もちろん、経営を継続的に存続させていくことが、真に労働者の利益につながることは言うまでもありません。だから、経営の厳しい折、経費増が固定化するという判断を渋りたいという気持ちもわからないわけではありません。しかし、この会社のように、目の前のコストにとらわれるのではなく、労働者を信頼し、逆に労働者も経営者を信頼する…そういう会社の在り方になったればこそ、赤字経営から黒字経営に転換したその原動力のような気がしてならないのです。私の感覚の方がおかしいんでしょうか…。最近ではいつもそんなことばかり考えてしまいます…。

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「日本でいちばん大切にしたい会社」第3弾が12月に発刊!

 あの名著…というより、今の日本にこんな会社が実在するのかと疑ってしまうような、今の日本(の多くの会社)が失ってしまった“人間に対する優しさや温かさ”をかたくなに守り続け、発展を続ける会社が紹介されている本の第3弾が発売される予定だ。第1弾から感動を与え続け、多くの経営者に「自分のやり方は間違っていた」と言わせしめた名著、今から大変楽しみだ!読んでいない人は、ぜひ読んでみて!感想が聞きたいな!

 この「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者、坂本光司氏が中心となって「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」という賞を発表している。詳細は上記リンクを参照してほしいが、そこに“福島屋”が紹介(審査員特別賞受賞)されていた。第1弾、2弾にはなかったと思うので、第3弾で紹介されるのかな…?
 実はこの会社、先日のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で紹介された会社(小売スーパー)で、私は「日本でいちばん〜」との関連は知らずに、ただ単に“売り上げを伸ばし続ける小売スーパー”とかいうサブタイトルで番組に見入ってしまったところだ。さすが、そこらの経営者とは発想が違うと感じた。詳しくは書かないが、やはり「日本でいちばん〜がらみだったか」と、上記リンク先を閲覧して納得した次第だ。
 先日のカンブリア宮殿の未来工業しかり…、着実に坂本教授の経営の思想が広がりつつある。さて、生協陣営にその思想が届くのはいつのことだろうか…?

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「日本で一番大切にしたい会社大賞」に選ばれたい!

 2/4(金)、ベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者、法政大学院教授の坂本光司氏のセミナーに参加しました。静岡の方らしいのですが、結構、語り口調が“べらんめぃ調”っていうか、アツく語る方で、お初の私はちょいとおっかなびっくりって感じの方でした…。
 講演は、「日本でいちばん大切にしたい会社」になるためにはどうしたらいいかをテーマに、“人を大切にする会社を増やそう!と言いたいだけだ!”と、現状の経営者の多くが“なっとらん!”と一喝されました。

 講演の冒頭、前日(2/3)愛知で講演されたことを紹介し、まずはその講演を引き受けるかどうかを考えたそうです。だって愛知と言えば、日本を代表する大企業が林立する地域で、講演の依頼をしてきたところがその愛知の企業家団体…、坂本先生に言わせれば、自分と考え方と全く異なる、不況になれば真っ先に一番弱い人たちを切り捨ててきた最悪最強の企業のトップたちからの依頼だったから…。でも、思ったそうです。だからこそ、私の話を聞かせるべきだと。
 その愛知での講演には、想像通り日本を代表する企業のトップたちが顔をそろえていたそうです。その冒頭、「あんたたちは不況になれば真っ先に一番立場の弱い人を切り捨てた。あんたらはそのまま居残っている。そんな経営者を社員が尊敬すると思うか?ついて行こうと思うと思うか?私だったら思わない。そんな連中に経営を行う資格などない!」と一刀両断に切って捨てたそうです。その時のトヨタの幹部の顔が見てみたかったなぁ…。
 そんな調子で、信頼される経営者になるにはどうすればいいか、それを着実に実践すれば“日本でいちばん大切にしたい会社”になれるというお話でした。
(今回の講演の直接の内容ではないですが、どんなお話だったかを垣間見るいい記事がありましたのでご紹介します。リンク先に行ってみてください。)
 実は今年、その名の通り“日本でいちばん…大賞”が選ばれることになりました。なんと経済産業省も後援しており、「日本でいちばん…」は、国をも動かす著作となったのです。そして、これに応募するにはいくつものハードルがあります。まずはその応募資格。それは以下の通りです。

応募資格
過去5年以上にわたって、以下の7つの条件のうち5項目以上該当していることとします。
1.人員整理等をしていないこと
2.下請企業・仕入先企業への一方的コストダウンをしていないこと
3.顧客のリピーター率が業界の平均を上回っていること
4.障害者雇用率は2.0%以上であること
5.黒字経営(経常利益)であること
6.遵守すべき法律・規制においてコンプライアンス上の問題がないこと
7.何らかの社会貢献活動が続けられていること

 これをクリアしていないと、応募さえできないという条件です。果たして、これをクリアする企業が日本にあるのか…?実は、結構あるんですよね。おかやまコープはどうかしら?1、2、6はダメでしょうね。4もクリアできていないのではないでしょうか。3と7はクリアできてますよね。
 さて、私はやはり生協は「日本になくてはならない、そして一番大切にしたい会社(組織)」であってほしいと思うのです。しかし、一般の企業でもこれらを十二分にクリアしている企業が実在しているにもかかわらず、生協がそれに近づくにはあまりに課題(クリアすべき課題)が多すぎるように感じます。なにも「労働者に媚を売れ」とか「賃金や労働条件を“バラまけ”」とか言っているのではないのです。従業員が本当に大切にされていると感じる組織をなんとか作り上げていけないかなぁと思っているだけなんですけどねぇ。
 今回のセミナーは、実は経営者向けのセミナーでした…が、生協労連関係から私をはじめ3名の労組関係者、そしてなんと、コープぎふの執行役員の方もいらしてました。セミナー後の懇親では、坂本先生と名刺交換もさせていただき、曰く「最近は労働組合からもよく呼ばれるようになった」とのこと、「つい先日は〇部〇力の労組にお邪魔した」と教えてくれました。
 長くなりました。最後までお付き合いいただいてありがとうございました。でももう一つ。上の条件の1番に、「人員整理はダメ」というのがあります。おかやまコープでは数年前、早期退職の募集を行いました。坂本先生に言わせれば、もちろんこれもいわゆる人員整理です。実はおかやまコープの場合、この早期退職募集は、労組が要求したものでした。その理屈は、「当時(今でも根強くありますが…)、第2の人生の選択を模索・希望する人たちも多く、彼らを応援することも必要」というものでした。実は理事会は嫌がったんです、「仲間を切り捨てるようなことはしたくない(当時の竹内専務)」と…。
 私は、坂本先生の講演を聞いて、ハっとさせられました。本当は、“第2の人生”をなぜ一定の数の仲間たちが希望するような組織になってしまっているのかをもっと深く考える必要があったのではないかと考えるようになったのです。最終的に転職するかどうかは自分の判断です。でも、そうさせている、わかりやすく言えば、おかやまコープを見限った仲間が少なからずいるという現実…、これが最大の問題ではないかと思うのです。そして、その問題意識はますます強まっているという今日この頃です。振り返ってみれば、あの時の主張(早期退職優遇制度の要求)は間違っていたのではないか…、早期退職を募集させたことで、「この組織は不要になった者を切り捨てる」という感情を仲間に与えてしまったのではないか…。
 この思いは私個人の思いであって、組織的に論議したわけではありません。…が、現状でも、「早期退職優遇の第2弾募集は無いのか?」と聞かれる場面も少なくありません。ということは、当時も今も、組織に対するロイヤリティはさして変わっていないということなのかもしれません。でも、今後は、だからと言って安易に第2弾を要求するということではなく、なぜそう思わせているのか、この組織で骨をうずめたいと思えるようにはどうしたらいいのかを、まず先に考えたいと思うのです。そんなことをつらつら考えたセミナーでした。

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昔のバンド仲間の体験談…やっぱ、立派な理念だけあってもダメなんだよね!

 1/8、昔一緒にやってたバンドのLIVEが岡山デスペラードであった。訳あって私は昨年(だったかな?)のLIVEに参加したあと脱退したのだが、昔やってた曲が演奏されると、つい昔が思い出されて胸が熱くなる。まぁ、私の戯言はこれくらいにして、その仲間からひどい話を聞いたのでご紹介する。

 私たち(…と言ってもすでに私は抜けているが…)のバンドはスパニッシュハーレムと言い、当時(1990年頃)の岡山のアマチュア音楽シーンでは、結構名の知れたバンドだった。そんなこんなで皆で上京しようということになり、当時勤めていた仕事を一切投げ捨ててメンバー6人全員が横浜へと移住した。そして夢破れてバンドは解散するということになるわけだが、最終的には6名のうち4名が岡山へ戻ってきた。私もその一人である。
 当然、仕事を探さなくてはいけないのだが、私はしばらくの間花屋のアルバイトを経て生協に出戻った。まぁ、その時の非難の嵐は言うまでもない…。で、写真のサックスを吹いている男(右端)だが、彼は知人と運送会社を立ち上げ、しばらくはそれで飯を食っていた。しかし、不況のあおりで経営が立ち行かなくなり、会社をたたみ、なんと某大手バス会社にバスの運転手として中途採用されたのだ。大型免許を持っていたことが功を奏したらしい。なんでも資格は持っておくもんだと感心した。
 ところがだ。今日ライブで会って彼と話をしたら、昨年の12月で退社したという。「なんで?」と聞くと、「とてもしんどくて続けられない。辞めてせいせいした!」と言うのだ。彼の話によると、経営者は非常にワンマンな社長で、休みは14日(2週間)に1日だけ、さらに1日10数時間も働かされていたんだそうだ。写真ではわからないかもしれないが、がたいはデカく、体力には自信ありって彼が、「もう、しんどくてつらかった」と言うのだ。それである日、あまりに疲れがたまって、バス停で待っていたお客さんを見過ごしてしまったということが連続して起こったらしい。それをとがめられて“辞めろ”と言われたらしいのだ…というわけで、一応“解雇”という形になったので、今は雇用保険でしのいでいるらしい。
 さて、お客さんを見過ごしたことは確かに良くない。しかし、そんな働き方をさせられていたら、起こるべくして起こったことではないか。もっと言えば、バスでお客さんの命を預かっている運転手の労働実態がそんなようであれば恐ろしくて乗れたもんじゃない。
 この会社の表町バスセンター(天満屋バスステーションではなく、電車通りに面している)には、でっかい看板で会社の理念と言えるような文言が掲げられている。まじまじと見たことはないが、そこには素晴らしい理念が掲げてあったことは間違いない。要は外面はとってもいいが、従業員に対する扱いは極めて非人道的な会社だということだ。「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者に言わせれば、そんな会社はいずれ淘汰されるのである。
 このバス会社には、当然のごとく労働組合はなかったらしい。辞める前に相談してくれていれば、関連一般労組を紹介することもできたのだが、残念だ。まぁ、彼のことだから労組には入らないかもしれないが、1日も早く次の仕事が見つかってくれることを願ってやまない。もちろん、上記のような会社ではない、まっとうな仕事に。

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さて、日生協2020年ビジョンで展望は生まれるか?〜第3回生協政策研究集会〜

 12月4〜5日、東京渋谷コーププラザ(初めて行ったけど、これがまたすんごい建物でした!)において、3回目となる生協政策研究集会が開催された。現在、日生協は2020年ビジョンの策定に向けて、その第一次案を発表し、さらなる全国論議を呼びかけている。ここ岡山でも、職員や生協組合員のワークショップが開催され、WEB上でもその様子が公開されている。今回の集会は、その一次案をもとに、働く側から20年ビジョンを考えることを趣旨とした集会だ。
 おかやまからは私を含む4名(中執、B長、配送パート各1名)が参加した。

 集会を主催した生協労連の生協政策委員会では、日生協の論議開始と同じくして、働く者の立場からの20年ビジョン論議を進めてきた。もちろん、開始時点ではまだ“案”はできておらず、「20の論点」という問題提起の文書をもとに論議してきた。その経過については、過去の記事を見てほしい。
 さて、集会の初日は、「これからの生協と労働組合の役割を考える」と題した佐高信氏の講演から始まり、コープネットの土屋専務から2020年ビジョン一次案の報告、最後に労連政策委員会からの20年ビジョンに対する問題提起を行った。それぞれの詳細は書ききれないが、佐高氏は小泉政権以降進む構造改革、新自由主義路線を痛烈に批判し、公益は費用対効果だけでは計れないとし、協同組合が持つ性格にその役割が期待される旨を話された。
 2日目は5つの分科会に分かれ、私は日生協の矢野専務を迎えての「20年ビジョン徹底討論」分科会に参加した。政策委員としての主催者側という立場でもあり、冒頭で20年ビジョンに対する「生協の現代的存在価値、役割」についての問題提起を行った。一言で言えば、「今回の20年ビジョン一次案も、その内容のほとんどはビジョン(理念)の提起ではなく、10年後に生き残るがための“ミッション(戦略)”や“アクション(戦術)”の内容でしかない。しかも、その内容すらも10年後の姿というよりも明日にでも実現できていないといけないような内容が多い。ビジョンの前提となる情勢認識も現状肯定(やむなし)型であり、これでは生協の存在価値の展望はなかなか見えてこない」と指摘した。
 これに対し、矢野専務は、「先の2010年ビジョンは、その時代の情勢を反映して、ビジョンというよりも確かに事業戦略的な指針としての性格が強かった。しかし、今回の20年ビジョンでは存在価値を含むビジョンへの思いが、実はちりばめられている」として、人と人、地域、階層といった“つながり”をキーワードに、生協の現代的存在価値の議論についての到達点を披露した。そして、その思いが「行間に詰まっている」と評した。
 これだけ読んでも、“なんのこっちゃ?”と思われるかもしれない。それに、一次案の文書を読んだだけで、矢野専務が言う“行間”を読み取るなんてことは不可能に近い。…が、矢野専務の“思い”も含めて、10年ビジョンの時の議論とは少し様子が違うことは感じ取ることができた。そうはいっても、まだまだ一致できない部分もある。でも、今後の議論のありよう次第では、少し希望が持てそうな気もした。そう感じられただけでも今回の集会を開催、あるいは参加してよかったと思う。
 なかなか、日生協の幹部とやりあうなんて機会はめぐってこない。だからと言って、今後の生協陣営の指針となるだろう20年ビジョンの論議に全く無関心というわけにはいかない。職員をはじめ、生協組合員の皆さんもぜひ積極的なかかわりを今後も追及してほしいと思う。まずは、日生協のホームページにアクセスだ!

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