日別アーカイブ: 2012年4月25日

労働組合の役割と“アポ方式”戦術考…

 タイトルを見て、「なんじゃそりゃ?」って思われたかな?労働組合の役割とアポ活動と何の関係があるのかと…。実は、大いに関係があるのだ。アポ方式の導入は、労組の提案によって導入されたものだからだ。今では、随分と評判が悪くなったアポ方式なので、これを言うと「労組はなんということを提案してくれたのだ!」とお怒りになるかもしれない。そこでちょっと考えてみようと思ったのだ。

 では、アポを導入した当時を振り返ってみよう。当時、アポ方式を生み出したみやぎ生協をはじめ、それを見習っていち早く導入したちばコープなどでは、“新規加入”が順調に進み、供給高減少に苦しむ他生協をしり目に供給減少に歯止めをかけ、上昇に転じていた。生協労連では、好調の陰にアポありとして全国宅配事業交流会などで紹介し、交流を深めていた。
 その当時、当のおかやまはどうだったのか…、ご多分に漏れず、供給減少に歯止めがかからず、時には〇〇対策などと称して供給対策を講じ、一定の効果はあったものの供給高の長期減少傾向は変わらずにいた。当然、労理交渉でも厳しい回答が相次ぎ、しんどい交渉を余儀なくされていたのだ。
 実はこの時、おかやまコープの戦略の柱は、“新規加入”ではなく“班内拡大”だった。もちろん、新規加入を全く追求しないということではないが、班の平均人数が他生協と比べても断トツで高い実績(それはそれで誇るべきではある)のおかやまは、その組合員の力に依拠し、班組織の強化という位置づけで、“班内拡大”を重点にしていたのだ。
 組合員の力に依拠すること、それ自体は間違いではない。しかし、それは当然、班の人の知り合いや近所の人に限定される取り組みになる。しかし、個別化がすすむ社会環境の変化は、それだけでカバーできるわけもなく、だからこそみやぎやちばではアポ方式の導入で、これまで想定されていなかった単身男性や高齢者世帯(独居含)、ご近所付き合いのない若年世帯などに加入の輪が広がったというわけだ。
 労働組合は、交流会でそうしたアポ方式の情報を得て、理事会に「他生協のように“新規拡大”に軸足を置くべきだ、その戦術として岡山流のアポ方式の導入を検討すべき」と主張したのだ。当時の理事会は、その方式はおかやまにはなじまないと拒否し続けた。しかし、全国の経験には逆らえなかったのか、最後には「労組が持っているアポ方式の情報をすべて教えてほしい」とまで言ってきたのだ。自分で情報収集は出来ないのかと情けなくも思ったが、ほどなくアポ方式の導入となり、その後は皆さんの知っている通りだ。そして、アポ導入直後は“新規拡大”が進み、発行人数も何年振りかに前年を超える実績にもなった。これが宅配事業の供給高減少傾向に歯止めをかけた大きな一つの戦略(新規加入重点)と戦術(アポ方式)となったのである。
 もし、あの時、労組が提案していなかったらどうなっていたのだろう。いずれはアポ方式も導入されたかもしれないが、そのタイミングは決してあの時点ではなかったはずだ。だとすれば、今でも厳しい経営状況はその通りだが、あの時の労組の提案がなければもっと深刻な状況になっていたかもしれないのではないか。
 労組は、反対ばかりするとか、無理難題ばかりを要求するとか、権利ばかり主張するとか、色々とご批判される方々もおられるが、どうだろうか?こんなこともあるんだよっていうことの一つ、アポ方式導入に関わるこの話。これに似た話は、実はいくつもある。パート配送導入問題もそう、過去の産地偽装問題が起こった時もそう、労組の主張や提案がその後にどれだけ役に立っているか…。「労組も要求するばかりではなく、生協の未来を考えるようなやり取りはできないのだろうか?」…以前、職場集会報告書か何かに書かれてあった意見の一つだ。実は、皆さんには見えてない部分かもしれないが(でも、ニュースなどでは書いていると思うんだが…)、ご指摘のような“未来を考える”やり取りが、実はたくさんあった、いや今でもあるのだ。
 しかし、問題は現在だ。始めこそまだよかった(?)ものの、現在のアポ方式の評判はすこぶる悪い。それは当然だろう。何年か前に導入したその時と基本的には同じ方法で今でも運用しているからだ。理事会自身、社会の変化は早く、そのスピードについていかなくてはいけないと言っているではないか。言ってることとやってることが一致していないのだ。すなわち、アポ方式も進化しなければいけない。聞けば、今では“新規加入”が目的ではなく、“アポを取ること”自体が目的になっているような実態さえ漏れ聞こえてくる。では、どんな進化があるのか…、それを考えるのは運営部の仕事だろう。現場が困っている(悪評が立っている)のなら、その情報をいち早くキャッチし、どう改善すべきかを考える…。もしかしたら、悪評が立っていることすら気づいていないのかもしれないが…。
 さて、実は労組もそういう形で経営にも貢献しているのだという話、どう感じただろうか?これも執行部の独りよがり?もちろん、そんなことがあったということを、きちんとみんなに伝えきれていないという弱点は否めない。しかし、労組は業務ラインと違って会議への参加や資料を読ませるうえでの“強制力”はない。いずれも自分自身の自主性によるのだ。つまりは、前述した労組への批判は、そういう自主性を発揮できる労組活動を求める貴重な意見なのだと受け止めたい。

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理事会に再要求を出しました!

 3月27日の全員団交、4/2のスト決行と春闘の交渉をしてきましたが、その後の動きについてご報告します。スト後、理事会からは、「交渉で労組から再回答を求められたが、その全員団交ではやり取りが不十分なままに終わり、再回答するにしても何をどう再回答すればよいか分からない」として、“再要求”なるものを出してほしいとの要請がありました。

 そもそも、なんでやり取りが不十分なままに終わってしまったのか…理事会にもきちんと時間配分を守っていただきたいものです。それはともかく、再要求を出すということになれば、なんせゼロ回答ですから、全項目を再検討してこいということになりますよ…とは言ったんですが、とりあえず先の春闘回答に対する労組見解と再要求を作成し、理事会に提出しました。
 再回答は5月23日(水)になる見通しです。召集対象は中執とセパ分会長です。すでに春闘なんて終わったかのような雰囲気ではありますが、よろしくお願いいたします。詳細が決まり次第、別途案内を送ります。

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