日別アーカイブ: 2011年2月8日

「日本で一番大切にしたい会社大賞」に選ばれたい!

 2/4(金)、ベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者、法政大学院教授の坂本光司氏のセミナーに参加しました。静岡の方らしいのですが、結構、語り口調が“べらんめぃ調”っていうか、アツく語る方で、お初の私はちょいとおっかなびっくりって感じの方でした…。
 講演は、「日本でいちばん大切にしたい会社」になるためにはどうしたらいいかをテーマに、“人を大切にする会社を増やそう!と言いたいだけだ!”と、現状の経営者の多くが“なっとらん!”と一喝されました。

 講演の冒頭、前日(2/3)愛知で講演されたことを紹介し、まずはその講演を引き受けるかどうかを考えたそうです。だって愛知と言えば、日本を代表する大企業が林立する地域で、講演の依頼をしてきたところがその愛知の企業家団体…、坂本先生に言わせれば、自分と考え方と全く異なる、不況になれば真っ先に一番弱い人たちを切り捨ててきた最悪最強の企業のトップたちからの依頼だったから…。でも、思ったそうです。だからこそ、私の話を聞かせるべきだと。
 その愛知での講演には、想像通り日本を代表する企業のトップたちが顔をそろえていたそうです。その冒頭、「あんたたちは不況になれば真っ先に一番立場の弱い人を切り捨てた。あんたらはそのまま居残っている。そんな経営者を社員が尊敬すると思うか?ついて行こうと思うと思うか?私だったら思わない。そんな連中に経営を行う資格などない!」と一刀両断に切って捨てたそうです。その時のトヨタの幹部の顔が見てみたかったなぁ…。
 そんな調子で、信頼される経営者になるにはどうすればいいか、それを着実に実践すれば“日本でいちばん大切にしたい会社”になれるというお話でした。
(今回の講演の直接の内容ではないですが、どんなお話だったかを垣間見るいい記事がありましたのでご紹介します。リンク先に行ってみてください。)
 実は今年、その名の通り“日本でいちばん…大賞”が選ばれることになりました。なんと経済産業省も後援しており、「日本でいちばん…」は、国をも動かす著作となったのです。そして、これに応募するにはいくつものハードルがあります。まずはその応募資格。それは以下の通りです。

応募資格
過去5年以上にわたって、以下の7つの条件のうち5項目以上該当していることとします。
1.人員整理等をしていないこと
2.下請企業・仕入先企業への一方的コストダウンをしていないこと
3.顧客のリピーター率が業界の平均を上回っていること
4.障害者雇用率は2.0%以上であること
5.黒字経営(経常利益)であること
6.遵守すべき法律・規制においてコンプライアンス上の問題がないこと
7.何らかの社会貢献活動が続けられていること

 これをクリアしていないと、応募さえできないという条件です。果たして、これをクリアする企業が日本にあるのか…?実は、結構あるんですよね。おかやまコープはどうかしら?1、2、6はダメでしょうね。4もクリアできていないのではないでしょうか。3と7はクリアできてますよね。
 さて、私はやはり生協は「日本になくてはならない、そして一番大切にしたい会社(組織)」であってほしいと思うのです。しかし、一般の企業でもこれらを十二分にクリアしている企業が実在しているにもかかわらず、生協がそれに近づくにはあまりに課題(クリアすべき課題)が多すぎるように感じます。なにも「労働者に媚を売れ」とか「賃金や労働条件を“バラまけ”」とか言っているのではないのです。従業員が本当に大切にされていると感じる組織をなんとか作り上げていけないかなぁと思っているだけなんですけどねぇ。
 今回のセミナーは、実は経営者向けのセミナーでした…が、生協労連関係から私をはじめ3名の労組関係者、そしてなんと、コープぎふの執行役員の方もいらしてました。セミナー後の懇親では、坂本先生と名刺交換もさせていただき、曰く「最近は労働組合からもよく呼ばれるようになった」とのこと、「つい先日は〇部〇力の労組にお邪魔した」と教えてくれました。
 長くなりました。最後までお付き合いいただいてありがとうございました。でももう一つ。上の条件の1番に、「人員整理はダメ」というのがあります。おかやまコープでは数年前、早期退職の募集を行いました。坂本先生に言わせれば、もちろんこれもいわゆる人員整理です。実はおかやまコープの場合、この早期退職募集は、労組が要求したものでした。その理屈は、「当時(今でも根強くありますが…)、第2の人生の選択を模索・希望する人たちも多く、彼らを応援することも必要」というものでした。実は理事会は嫌がったんです、「仲間を切り捨てるようなことはしたくない(当時の竹内専務)」と…。
 私は、坂本先生の講演を聞いて、ハっとさせられました。本当は、“第2の人生”をなぜ一定の数の仲間たちが希望するような組織になってしまっているのかをもっと深く考える必要があったのではないかと考えるようになったのです。最終的に転職するかどうかは自分の判断です。でも、そうさせている、わかりやすく言えば、おかやまコープを見限った仲間が少なからずいるという現実…、これが最大の問題ではないかと思うのです。そして、その問題意識はますます強まっているという今日この頃です。振り返ってみれば、あの時の主張(早期退職優遇制度の要求)は間違っていたのではないか…、早期退職を募集させたことで、「この組織は不要になった者を切り捨てる」という感情を仲間に与えてしまったのではないか…。
 この思いは私個人の思いであって、組織的に論議したわけではありません。…が、現状でも、「早期退職優遇の第2弾募集は無いのか?」と聞かれる場面も少なくありません。ということは、当時も今も、組織に対するロイヤリティはさして変わっていないということなのかもしれません。でも、今後は、だからと言って安易に第2弾を要求するということではなく、なぜそう思わせているのか、この組織で骨をうずめたいと思えるようにはどうしたらいいのかを、まず先に考えたいと思うのです。そんなことをつらつら考えたセミナーでした。

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