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さて、日生協2020年ビジョンで展望は生まれるか?〜第3回生協政策研究集会〜

 12月4〜5日、東京渋谷コーププラザ(初めて行ったけど、これがまたすんごい建物でした!)において、3回目となる生協政策研究集会が開催された。現在、日生協は2020年ビジョンの策定に向けて、その第一次案を発表し、さらなる全国論議を呼びかけている。ここ岡山でも、職員や生協組合員のワークショップが開催され、WEB上でもその様子が公開されている。今回の集会は、その一次案をもとに、働く側から20年ビジョンを考えることを趣旨とした集会だ。
 おかやまからは私を含む4名(中執、B長、配送パート各1名)が参加した。

 集会を主催した生協労連の生協政策委員会では、日生協の論議開始と同じくして、働く者の立場からの20年ビジョン論議を進めてきた。もちろん、開始時点ではまだ“案”はできておらず、「20の論点」という問題提起の文書をもとに論議してきた。その経過については、過去の記事を見てほしい。
 さて、集会の初日は、「これからの生協と労働組合の役割を考える」と題した佐高信氏の講演から始まり、コープネットの土屋専務から2020年ビジョン一次案の報告、最後に労連政策委員会からの20年ビジョンに対する問題提起を行った。それぞれの詳細は書ききれないが、佐高氏は小泉政権以降進む構造改革、新自由主義路線を痛烈に批判し、公益は費用対効果だけでは計れないとし、協同組合が持つ性格にその役割が期待される旨を話された。
 2日目は5つの分科会に分かれ、私は日生協の矢野専務を迎えての「20年ビジョン徹底討論」分科会に参加した。政策委員としての主催者側という立場でもあり、冒頭で20年ビジョンに対する「生協の現代的存在価値、役割」についての問題提起を行った。一言で言えば、「今回の20年ビジョン一次案も、その内容のほとんどはビジョン(理念)の提起ではなく、10年後に生き残るがための“ミッション(戦略)”や“アクション(戦術)”の内容でしかない。しかも、その内容すらも10年後の姿というよりも明日にでも実現できていないといけないような内容が多い。ビジョンの前提となる情勢認識も現状肯定(やむなし)型であり、これでは生協の存在価値の展望はなかなか見えてこない」と指摘した。
 これに対し、矢野専務は、「先の2010年ビジョンは、その時代の情勢を反映して、ビジョンというよりも確かに事業戦略的な指針としての性格が強かった。しかし、今回の20年ビジョンでは存在価値を含むビジョンへの思いが、実はちりばめられている」として、人と人、地域、階層といった“つながり”をキーワードに、生協の現代的存在価値の議論についての到達点を披露した。そして、その思いが「行間に詰まっている」と評した。
 これだけ読んでも、“なんのこっちゃ?”と思われるかもしれない。それに、一次案の文書を読んだだけで、矢野専務が言う“行間”を読み取るなんてことは不可能に近い。…が、矢野専務の“思い”も含めて、10年ビジョンの時の議論とは少し様子が違うことは感じ取ることができた。そうはいっても、まだまだ一致できない部分もある。でも、今後の議論のありよう次第では、少し希望が持てそうな気もした。そう感じられただけでも今回の集会を開催、あるいは参加してよかったと思う。
 なかなか、日生協の幹部とやりあうなんて機会はめぐってこない。だからと言って、今後の生協陣営の指針となるだろう20年ビジョンの論議に全く無関心というわけにはいかない。職員をはじめ、生協組合員の皆さんもぜひ積極的なかかわりを今後も追及してほしいと思う。まずは、日生協のホームページにアクセスだ!

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労働組合&理事会共同の総選挙投票呼び掛け

10.22衆議院選挙にあたって労働組合と理事会が共同で「選挙に行こう」と呼びかける文書を発表しました!
みなさん10.22には投票に行きましょう!
もう行ったよ~という方はぜひ周りのかたへの投票呼び掛けにご協力ください。
わたしたちが目指す”平和とよりよい暮らし”のために、わたしたちの大切な一票を投じましょう!
呼びかけ文は以下。

2017年10月19日
おかやまコープで働く皆さんへ
生活協同組合おかやまコープ 代表理事 専務理事 田中 照周
生協労組おかやま 委員長 坂本 浩
10月22日(日)衆議院選挙には投票に出かけましょう
おかやまコープで働く役職員の皆さんの日頃のご奮闘に敬意を表します。
さて、来る10月22日(日)は衆議院選挙の投票日です。
おかやまコープをはじめ、全国の生協は特定の政党や候補者を支援することのない政治的中立の立場です。
一方、おかやまコープは「つながり育む 笑顔広がる 豊かなくらし」をビジョンに掲げ、活動を進めています。今回の選挙では、憲法の問題や消費税増税の問題など、これからの日本の制度や法律はもちろん、そうした私たちのくらしにも深く関係する争点が問われています。
10月22日(日)衆議院選挙の投票日には、棄権することなく、主権者としての権利を行使(投票)することを役職員の皆さんに呼びかけます。ご家族の皆さんにも、投票を呼びかけましょう(選挙権は18歳から)。
当日が仕事などで投票が困難な方は、期日前投票を利用しましょう。
以上

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第3回日本で一番大切にしたい会社大賞は、「富士メガネ」

今日は、生協労連の生協政策検討委員会。名前は難しいが、ようは日生協が出した2020年ビジョンや現在の生協の存在価値、各々の事業政策、現場の実態などを労働者の立場から検証していこうという専門委員会である。

今日の会議は、11月の全国研究集会に向けての問題提起(提言)について、先に行った労働者意識調査の集計結果やこの感の職場の実態、事業の進捗状況などを材料に検討を行った。
詳細は別の機会に…いや、関心のある方はぜひ11月の集会に参加して欲しいと思うのだが、ここではそこで出されたちょっと意外だった話を紹介する。
アンケートの分析をお願いしているコンサルタント会社の話では、先ごろ、第3回日本で一番大切にしたい会社大賞に「富士メガネ」さんが選ばれたという話…の中で出された話。大賞ではなかったものの、その実行委員賞にK’sデンキが選ばれたというのだ。
日本で一番大切にしたい会社大賞に応募できるのは、厳格な基準をパスしなければならない。幾つかの基準があるのだが、大手電化製品の量販店でこの基準をパスできるということ自体も驚きだったのだが、なんとK’sデンキには、サービス残業もノルマさえもないのだそうだ。一般の家電量販店のイメージからは想像もできないだけに、その話には仰天した。
目標(一般的にはノルマという場合もあるが)がなければ事業が進まないと言われれば、それもそうかなと思いがちだが、それ自身がどうも我々の思い込みである可能性が高そうだ。そんなことも念頭に起きながら、11月も集会にむけて、問題提起する内容を詰めていきたい。なかなか面白くなりそうだ。

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第3回分会代表者会議を開催、組織調査の結果報告と春闘方針が提案されました

 1月12日(土)、サンロード吉備路で第3回分会代表者会議を開催しました。春闘方針や要求案の提起に先立ち、昨年実施した職員意識調査の結果を、経営コンサルタント会社の㈱イマージョン松島紀三男氏より、質疑を含め約2時間半をかけて報告いただきました。その後春闘方針と要求案が提案され、1/14(月)~から始まる一斉職場集会での討議が呼び掛けられました。

 意識調査報告では、賃金や労働条件などを中心にトータル的に職員の満足度は高いものの、「生協としての理念やビジョン、組合員、生活者の期待に応える生協としてのアイデンティティは希薄であると言わざるを得ない」、「矮小化された目標管理と日本型成果主義から脱却し、利他の精神、組合員、社会への貢献意欲を活かす経営を」などと分析されました。最後の質疑でも、職員のやる気や評価に絡んで人事制度に対する考え方、目標の持たせ方や職場運営のあり方の実態を例に挙げてどう考えるかなどの質問が相次ぎました。松島氏は、“理念やビジョンが後景に追いやられたまま”での人事制度やその運用をはじめ、目標の設定の仕方や考え方、それを成すためだけの指示・命令というのはやめるべきだと指摘し、宅配事業でやられている“ありがとうの声の集約”や共済を中心とする売り手発想の“キャンペーン”も考え方が逆立ちしていると批判しました。(詳しくはこちら>>おかやまコープ職員意識調査結果「総合所見」(PDF87KB))
 午後からは執行部より春闘方針と要求案の提案を行いました。春闘方針は、①消費税増税やTPP参加の問題など、組合員の暮らしに目を向けるのであれば、これらに対する運動が労理の大きな課題となるはずで、それが組合員の暮らしを守り、信頼を得ることにつながり、最終的には経営の向上につながる課題として労組とともに運動を進めるよう理事会への働きかけを強化すること、②でも、それを取組む主体である職員の暮らしや仕事も安定していることが不可欠であり、賃金や一時金、年休や残業などの労働条件の改善はもとより、赤字回避のためだけを理由にし賃下げは絶対に許さない闘いをすすめること、③すべての職員が大切にされ、生き生き働ける組織風土改革を進めること、④委託や派遣、請負労働者と連帯し、直雇用化政策への転換と彼らの労働条件改善に力を尽くすことの4点を柱に取り組むことが提起されました。
 単年度である程度の赤字になったとしても、それに耐えうる体力があるうちは、赤字を回避するためだけの賃下げは許さないということは、それ相応の闘いが必要になります。秋闘でもそのことが問われましたが、「赤字になるくらいなら一時金削減もやむなし」という意見が大勢を占め妥結しましたが、この判断は今後にわたって、赤字になりそうだという状態になれば、賃下げやむなしということを認めてしまったことと同じです。この春闘では、こうした考え方を続けるのかどうか、覆すのであれば相応の闘いが必要になるが、そういう闘いをどうつくっていくのか、この問題を今から結論を急がず丁寧に討議していこうと呼び掛けられました。
 これから一斉職場集会の期間に入ります。各職場では、2013春闘職場討議資料の「読み合わせ」資料(1~3ページ)を活用し、率直な議論を行っていただくようよろしくお願いいたします。

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これからの生協…生協の存在意義は?働く意味は?

[ 2012年6月30日 1:00 PM to 2012年7月1日 2:00 PM. ]  日生協の2020年ビジョン…、果たして皆さんの願う生協の姿になっているだろうか?生協組合員向けにはとても耳触りのいい言葉が多い生協だが、そこに働く仲間の声はなかなかTOPにまで届いていない野も実感できるのではないか…。
 そんな、はたらく側から見た未来の生協の姿と存在価値、はたらく意義を考える学習研究集会。参加者大募集中です!詳しくは>>こちら!

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あまりにひどい!日本の労働者の実態~生協労連第92回中央委員会~

 12月8~9日にかけて、東京都内で第92回中央委員会が開催されています(現在進行形)。全国から約80名が参加、秋闘の中間総括と2011年春闘に向けての方針を主なテーマに論議しています。
 議事に先立って、労働問題研究家の筒井晴彦氏から、日本の労働者の実態についての学習講演がありました。世界各国のそれと比較した非常に分かりやすい資料が示され、日本の労働者のそのひどさ、劣悪さが浮き彫りになりました。

 中央委員会では、その後、渡辺書記次長から秋闘中間総括の報告、鈴木書記長から2011年春闘方針四役案が提案され、春闘論議がスタートしました。
 今年の春闘の柱は、最低賃金の引き上げと組織拡大の課題、そして生協の展望を切り開くたたかいです。労働者の所得が激減し、貧困と格差が広がるなか、それに歯止めをかけるのは最低賃金引き上げであり、一刻も早く全国一律最低賃金制度の確立と時給1000以上の実現を具体的に目指していくこと、労働者に対する資本の容赦ない攻撃に反撃する最大の力は労働組合であり、この間の派遣切りへのたたかいがそれを示していること、これに確信もって仲間を増やしていくことの重要性を論議しました。また、経営の厳しさを打開する展望を示すことの出来ない現状を打開し、働くものの立場から日生協の2020年ビジョン論議にも呼応しながら大いに議論を進めていく取組みも大きな柱です。
 さて、それにしても筒井氏の講演によると、日本の労働者の働き方は本当に異常だ。一例を挙げれば、まずその象徴となっている非正規労働者は、全雇用者に占める割合でダントツの37%超!ヨーロッパの国々では高くてもスペインの29%、他は大体10%前後だ。
 大手自動車会社に占める非正規の割合も、プジョーが8.5%、ダイムラー(ベンツなど)が3.5%に対し、トヨタは20%!この20%の労働者が、ちょっと景気が悪くなるだけで切り捨てられていくのだ!
 その他、失業給付水準でも、最低賃金水準でも、企業が負担する社会保険料の負担率でも、残業時間(労使協定含む)でも、どの指標においても圧倒的に日本の劣悪さが際立っている。
 面白い指摘もあった。協同組合の役割について、国際労働機関(ILO)は2002年に「協同組合の促進に関する勧告」を採択、この勧告によって、協同組合の促進がディーセントワーク(人間らしい労働と訳す)の実現というILOの新しい活動に全面的に合流することになったという話。つまり、非正規から正規への転換が求められる今日、協同組合が「ワーキングプア」を作ってはならないということであり、政府は、非正規を正規に転換するという協同組合の役割を促進しなければならない…ということなのだが…実態は、はて?さて??
 さぁ、来春闘における労働組合の役割がまさに試されることになりますね!

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“組合員・消費者の願い”って何?~労連生協政策委員会~

 11月17日、生協労連の生協政策委員会があった。12月の政策研究集会(ぜひ皆さん参加してね!)にむけての最後の詰めの会議である。この会議に、日生協が現在作成している2020年ビジョンの一次案の原案(同じ日の理事会で一次案が正式に確認される予定で、それに先立っての配布だった)が提示された。
 さて、日生協が作成している2020年ビジョン…、良く出てくる言葉に「組合員・消費者の願いを実現するため」とか、「〜実現したい」っていう表現が出てくる。さて、その「組合員・消費者の願い」って一体なんなんだろう?
 人それぞれだろうとは思うが、その最低限の願いっていうのは、きっとこんな感じではないだろうか。(夫の視点で考えてみる…)

 朝起きる。家族みんなが健康で、そろって朝ごはんを食べる。栄養満点のご飯をゆっくり食べながら、妻や子どもと会話を交わし、子どもは元気に学校へ出かけていく。子どもを見送って、そして私も“今日も頑張るぞ”って思いながら職場へと向かう。
 仕事は誰に対しても誇れる働き甲斐のある仕事で、上司や同僚との関係もすこぶる良好、基本的に残業もなく、夕食までには帰宅できる。賃金は、個々によって多少の違いはあろうけど、家族を養うには事足りている。
 学校はいじめもなく、先生らとの関係も良好で、地域ぐるみで子どもたちを見守る環境が出来ている。勉強に追われることなく、のびのびと勉強や遊びに走り回っている。教育費は大学まで無料で、家計に対する負荷もほとんどない。町内会はもちろんPTAの活動なども活発だ。
 妻は、家にいても仕事に出てもどちらでもよい。万が一の時に自立できるよう職を持っていたほうが安心だとは思うが。要は、それを選択できる経済的余裕があるということだ。
 さて、家に帰れば夕食までには家族が全員そろい、団欒を囲む。そこに並ぶ食材は、もちろん地元や国内で取れた食材だ。生産者の顔が見える安心・安全の食事である。今日一日の出来事の会話を楽しみながら…。
 そして将来の不安もない。夫婦で言えば、老後の生活。年金の不安もなければ、病気になれば気兼ねなく病院へいき、治療費を心配することもなく、最高の医療が受けられる。
 子どもは、いずれ就職する。もちろん自分の夢を追い求めるのも自由である。いずれにしても最低限の生きる権利は保障され、夢破れても最低でもどこかに“正社員”として就職が保障されている。親も安心だ。
 そして、家族そろって休みという日が保障され、“今度の休みにどこか家族で遊びに行こうか”なんて会話が飛び交う。ヨーロッパのような“バカンス”があればもっといいけどね。
 そしてそれは孫やひ孫の代、いや、未来永劫続いていく…
 更に世界に目を向ければ、アフリカや東南アジアなど、貧しい国々を踏みつけにして、いわゆる先進国だけが繁栄すればよいなんて誰も願っていない。世界中のすべての人々が、最低限、先に書いたような1日をおくれるような世界となればいい。
 贅沢は出来なくても、平凡でもいいからせめて普通の生活を…“組合員の願い”って、要はこんな感じなんじゃぁないだろうか。よくよく考えてみれば、これって日本国憲法にほとんどすべて書いてある、人間の基本的な最低の権利として。
 ところが!である。日生協の2020年ビジョン一次案には、こんな社会は“来ない”と書いてある。もちろん、露骨にそう表現されているのではない。「組合員の暮らしは今後10年、ますます厳しくなっていく」んだそうだ。だからそうなっても暮らしていけるように、生協の事業を守り(…というのはコストを抑えてでも生き残っていくという意味だ)、“貧しくなる”組合員のくらしを応援するんだと…。
 現実はそうかもしれない。でも、それが“組合員の願い”か?違うでしょう!だったら、その願いをかなえるために、生協には何が求められているの?ビジョンとは、そういう視点で考えないとダメなんじゃないの?なんとも情けないビジョンである。これでは何の展望も誇りも持てない、人の心に響かない、これじゃぁ労働者だって動かないですよ!
 ちなみに、食の問題ではあっと驚く話も聞いた。国内生産者が大打撃を受けるといわれているTPP問題。日生協は、それには“何も触れない”のが方針なんだそうだ!これじゃぁ、日本の食を真剣に心配している“組合員の願い”に反しはしないか?
 「そんな理想を言ってても食えないじゃないか」とお思いの皆さん、そんなことはありません。実際にあるんですよ!そういう理想を地でいっている企業が。ぜひこの本を読んでみて!
 さて、おかやまの秋闘は妥結提案となった。しかし、それに対してとても厳しい意見も投稿されている。ラースさんの言わんとすることはもっともだ。しかし、日生協ですらこの体たらくである。本気で組合員の願いを実現しようなんて思っていない、いかに生協を生き残らせるかに汲々としているだけとしか私には見えない。そんな生協陣営の実態の中で、おかやまの理事会にだけそれを求めても何だかとてもむなしく、切ないんだよね。おかやまの理事会に、「日生協はなに言ってるんだ!もっとしっかりしろ!」といえる勇気と力量があれば…とは願うんだけど…。

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まだまだ知られていないんですねぇ…

 今日、日生協のHPを見ていたら、2020年ビジョンのサイトに岡山で開かれた20年ビジョンに関するワークショップの報告を見つけた。写真を見ると、おかやまコープの仲間も参加していたようだ。それを見ていて、つい最近のある分会の秋闘の職場集会で「労組は10年先、20年先の長期的な生協の展望や政策論議をしないのか?」という意見が出されたことを思い起こした。

 なるほど、ビジョンのワークショップが岡山で開かれていたことなんて全然知らなかったけど、こうした取り組みに参加した仲間にとっては、“労組って権利を主張したり、不満や文句は言うけれど、こんな生協の展望を考えるような議論なんてやってんのか?”なんて風に感じるんでしょうね。
 どっこい、生協労組では、生協労連を中心にしながらビジョンの問題は重要なテーマであるとして、ずぅっと前から議論しているのだ。しかも、日生協が示したビジョンには批判的な立場で。もちろん、それは文句を言うだけというレベルではない。生協のあり方、現代社会から将来ににおける存在意義を議論する中で、日生協の示しているビジョンの案は事足らないという視点からである。
 残念ながら、日生協のHPから読み取れる範囲では、現在論議が呼びかけられている2020年ビジョンに対する批判的かつ建設的、更に議論を深めるような議論がワークショップの中で展開されているようには到底見えない。もちろん私見だが。そこにはまったく欠けている視点があるからである。
 ワークショップでは、10年後の未来において、おそらく抱えているであろう社会的な問題について、生協としてどう事業展開を進め、生き残っていくかという視点での議論しかない。何故そういう問題が10年後にまで残されているのか、そんな問題を将来にまで引きずらないように、あるいはそれまでに解決されるように、今、生協に何が求められているのかなんて視点はまったくない(これも私見だが)。つまり、現状容認型の論議でしかないのだ。“こうしたら支持され、売れる”とか“こうしたら事業の新しい展開ができる”とかいうのは実にお盛んだが…。
   ※組合員参加のワークショップは、ある意味、その論議に限界があるかも知れないので、ここでの批判の対象にはしない。
 生協労連の議論は、まさにこうした日生協に欠けている点にある。生協の理念に掲げられた“自立した市民の協同で~持続可能な社会”を実現するために、現代社会から求められている生協の存在意義とはなんなのかということである。分かりやすくいうと、例えば店舗の価格が劇的に安くなってもそんな社会は実現できないし、宅配事業のリードタイムが現在の1週間から当日や翌日に縮まったとしても、そんな社会は実現できないのである。ならば、生協に求められている存在意義はなんなのか…まさに現代の生協職員にとって最も重要かつ壮大なテーマであると同時に、生協の展望を語る上で避けて通れない問題であると思うのである。
 もう一つだけ加えたい。日生協の2020ビジョンの問題提起の中に、そこに働く労働者の暮らしや働き方、働き甲斐をどう作り出していくのかという提起は、20ある提起のうちたった一つ(論点17)しかない。他に働く者への提起があるかといえば、全然ない。私は、まさにその事実こそが今の生協の思想的弱点であると思えてならないのである。
 これは、あくまで私の私見である。しかし、私の私見も含めて、労働組合はずっと生協の将来を見つめて、その存在意義を問う論議を進めてきている。私は、最初に質問した仲間に逆に聞きたい。こんな…労組のような論議でもいいしワークショップのような論議でもいい…論議がおかやまコープの中でされているんだろうか?本来は、労組よりももっと活発な議論が経営の中にあってしかるべきだと思うのである。

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