今春闘の職場集会で、みんなに討議してほしいこと…

 1月12日(土)に第3回分会代表者会議で今春闘の方針を提起した。それに基づき、職場での論議を呼びかけたのだが、なかなか分会で活発な論議にはなっていないようだ。それもそのはず、論点がはっきりしないというか難しすぎるというか…提案した私自身も、なかなか自分の言葉で説明しづらいというのが正直な思いだ。そこで、ここで少し補足したい。

 みんなに議論してもらいたいのは、昨年の秋闘を振り返って、今後、労組はどうたたかっていくべきか?というテーマである。昨年の秋闘は、「赤字になりそうだ」ということで大幅な一時金削減で決着した。これは、“経営が厳しければ人件費削減はやむなし”という理事会の姿勢を容認したのと同じである。今後もそれでいいのか?ということが問われているのだ。
 もちろん、本当に倒産しそうだとでも言うのなら人件費削減もやむをえまい。しかし、秋闘の際は、本当にそんな状況なのかどうかさえ議論する時間も知識も力量もなかった。だから、これからは経営の実態をきちんと把握できる力量を養おうというのが一つの課題である。そして、執行部の提起は、実は経営は安定しており、そういう状況であれば単年度の赤字回避のためには人件費削減ではなく、これまでの内部積立でカバーできるうちはそちらを先に取り崩すべきだということなのである。

 では、それを実現するためにどうたたかうか?そういう理事会の姿勢を変えるにはそれ相応の闘い方が必要になる。店を閉める、配達を止める…そうした生協組合員にも影響を与える強力なたたかい方のことだ。執行部の提起は、今後はそういうたたかい方も視野に入れて考える必要に迫られつつあるという問題提起だ。

 そこで、もう一つのテーマが浮かんでくる。そんなたたかい方(ストなど)を労組として、本当に決行してもよいのかどうかというテーマである。
 生協の労働組合は、生協は利潤追求を目的とする一般企業とは違い、消費者(組合員)や国民の暮らしを守る“運動体”であるからこそ労理ともに共有する目的をもつものとして、生協組合員に直接影響を及ぼすようなストは回避してきた(職場資料の“生協労働者の2つの使命論”)。ところが、今消費者や国民の暮らしを痛めつけている、あるいは破壊しようとしている様々な問題…特に政治的な課題と呼ばれるもの…についての生協の姿勢は、残念ながら“組合員の暮らしを守る”という思想にもとるのではないか…。
 だとすれば、労組が生協組合員に影響を及ぼすようなストを回避する理由がなくなってしまう…。それは同時に、生協の消費者運動を推進する組織としての存在意義が無くなってしまうこととも等しい。もし本当にそんな組織に変わってしまっているのであれば、生協の労組でも一般企業労組のごとく大規模なストを遠慮なく構えることができる。

 しかし、誰もそんなことは望んでいないし、そんな組織にしてしまってもいけないと思う。だから、今春闘は、消費税やTPPの問題を中心に、生協組合員(ホントは国民全体だけど)の暮らしを守るために、労理で共同した取り組みをやろうと呼びかけることを要求に入れ、特に強調しているのだ。
 つまり、その要求に理事会がまともに答えなかったとしたら…、そして、その一方では「赤字になりそうだから人件費削減を」などと言ってくるようであれば、今後は大規模なストを構えてたたかうことも視野に入れて進めるぞという提起なのである。

 その矢面に立たざるを得ないのは、組合員と直接接している現場の仲間だ。だからこそ、結論を急がず、この春闘から経営状況をきちんと学び、生協の存在意義を学び、今の社会情勢にも目を向けながら、議論を積み重ねつつ取り組みを進めよう…これが言いたいのである。

 もっとも、賃金要求や労働条件、職場環境改善の要求などもしっかり理事会に伝えていく必要がある。執行部の要求(案)をもとに、現場の実態や要求をいっぱい出してほしい。すべてが実現できなくても、少しでも前進することでやりがいや働きがいのある職場になっていくだろう。そして、その中の重要なテーマとして、労働組合は組織風土改革を位置付けている。分会代表者会議で報告した組織分析結果や生活実感アンケートなども参考にしながら、職員が大切にされる組織風土を目指して頑張ろうではないか。

カテゴリー: TOPIXニュース, 政策・見解, 書記局のつぶやき…(雑感) タグ: パーマリンク
(5) (0) (0)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)