日別アーカイブ: 2012年7月9日

定期大会終わる…やっぱ、いい話でした、尾崎さん!

 7月7日(土)、第22回定期大会が無事開催された。未明の豪雨によって、電車が止まったり、道が寸断していたりとハプニングはあったものの、約80名の代議員と40名の新旧中執、合わせて120名あまりの参加となった。

 冒頭は全日空労組の客室乗務員地区(地区=支部とか分会みたいなもの)所属の尾崎恵子さんのお話。記念講演とはいうものの、何か堅苦しい“労組の役割”とか“意義”とかいう話ではなくて、彼女自身が客室乗務員として就職した頃の話から始まって、「お客様一人ひとりの人生に寄り添っておもてなしをし、飛行機という空の上で密閉された空間の中でお客様の安全を守るのが客室乗務員の仕事」と先輩教官(…教官とはいっても当時24~5歳の先輩だった。その理由は以下に…)の言葉を胸に希望に燃えて着任したものの、その労働実態があまりに過酷で大変だったこと、でも、それが“おかしい”なんて思えるだけの知識も何もなく、ヘトヘトになりながら“しょうがない”と諦めていた日々のお話から始まった。
 そんな折、先輩から「同期入社の中から組合役員を出せ」との“命令”が下る…!どうも、当時の客室乗務員の世界は超体育会系で、先輩の命令は絶対だったそうだ。全く関心のなかった同期の仲間は、さぁ大変!蜂の巣つついたように大騒ぎ!
 「私はいやぁよ」、「私だって絶対無理!」
 「そうよそうよ、無理だよねぇ!」
 そんな会話がひとしきりあった後、
 「でも、先輩の命令でしょ、誰かが出ないといけないんじゃない?」
 皆、「…」
 その時、ある一人が「そうね。誰かがやらないといけない。でも、こういうのって誰でもっていうわけにはいかないわよね。やっぱり、向き不向きがあるわけだし…。きっとこういうのができるのって、あなたしかいないわっ!」って言われて、指差されたのが“私”だったってわけ。すると、指されなかった他の人は「そうよね~、あなたは適任だわ」ってなもんで、みな同調して、心の中では“私でなくて良かったぁ”だったとか。
 その時に、「それはおかしいわ!そんな決め方ってないんじゃない!?」なんて言えたならよかったんだけど、そもそも指差す時にそんな反論するような相手は選ばないってことで、まぁ悪く言えばはめられたみたいな感じ?
 そこから、訳も分からず労組の活動に関わらされたってお話だった。もっとも、これはさわりの部分のお話で、その後の労組での活動の様子を面白おかしくお話いただいた。“しょうがない”とあきらめていた客室乗務員だけに適用されていた“30歳定年制”と“結婚退職制度”(これこそ教官が若い理由だった!)。「お客様に触れる第一線の仕事だから、若いぴちぴちの女性がいい」と、今では考えられないようなことを平気でいう経営者。それを変えようと奮闘する労組の先輩スチュワーデス。そんな先輩に影響され、徐々に“しょうがない”ではなく、“労組で会社を変えることができるんだ”との確信に変わっていく自身の経験談などなど。
 その後のお話にも、何よりも仲間を大切にし、はたらき続けられる職場の実現を目指して、そしてそういう職場を後輩たちに託すために今をどう生きるのかが大切だという思いと、彼女にとってはそれが労組で活動(労組を活用)してきたことであり、それを実現できるのが労組なんだという思いがビンビン伝わってきた。最初はやらされ感いっぱいだったにも関わらず、本当に自分や家族、そして仲間たちのことを思いやり、大好きな仕事でいつまでもはたらき続けたい、お客様にありがとうって言われたいという気持ちに、素直に従ったら労組の活動だったということなんだなと。
 最後は、今はやりの“格安航空会社”についてのお話も。マスコミは、事故が起こると(たとえば先日の長距離バス会社など)、人件費を含む行き過ぎたコストカットや規制緩和を糾弾するが、舌の根も乾かないうちにそれと同じ構造の“格安航空会社”を持ち上げる…、その陰には低賃金・劣悪な労働条件で使われる労働者がいるということを忘れてはいけないとくぎを刺すのも忘れない尾崎さん。90分という短いお話だったが、まだまだいろんなことを聞いてみたいと思った講演だった。
 さて翻って、わが労組。自分も含めてそういう活動ができているか…?身につまされることもしばしば。尾崎さんにもらった元気を、これからに生かしていきたい。
 さて、大会そのものはそのあとだ。尾崎さんのいい話が抜けてしまわないかと不安だったのが正直なところ。まぁ、ともかく2011年度の活動のまとめと12年度の方針、決算、予算など、すべての議案は採択された。
 議案に対する討論では、ミドルエイジの会や青年部など、階層別の活動報告が相次いだ。そこの層に特に切実感が増しているのだろう。また、原発に関する発言や商品センターの雇用問題、組合員SC稼働に伴う不具合なども発言された。いずれにしても「職員自身が大切にされているか」が問われている実状の話だったと思う。
 その一方、生協関連・一般労組からオブザーバーで参加していた㈱流通サービス分会の長尾分会長の発言もあった。労組を結成し、残業未払いや年休取得など大幅に改善させたが、そのことで経営側から、「監査から“岡山の職場は何も指摘することがないほど法律が守られた運営がされている”と褒められた、これも労組のおかげだ」と感謝されたという話もあり、尾崎さんの話とダブったのか、参加者からも“いい発言だった”“労組について考えさせられた”などと大変好評だった。
 さて、また1年が始まる。1年後、少しはよくなったと言えるように、老体にムチ打ちながら頑張ろうと思う。

カテゴリー: TOPIXニュース, 活動日誌 | タグ: | コメントする
(5) (0) (0)