ヒタヒタと近づく愛国主義の足音…まずは教育現場から…

 昨日の県労会議の常任幹事会。「税と社会保障の一体改革」問題をはじめ、春闘交渉など、取り組むべき課題は相変わらず多いわけだが、ひときわ“え~、そんなことになってんの?いつの間に?”という話題があったので紹介する。それは、子どもをめぐる教育現場の問題だ。大阪橋下市長の維新の会が推し進める教育条例はその典型だが、いやそれだけではない、こんなところでも…って話だ。

 その一つは、中学に入ると武道が必須科目になったってこと。私が子供のころは、高校に入ったら剣道が柔道を選択することになっていた。思いっきり文科系の私は剣道を選んだが、それでもその授業がイヤでイヤでたまらなかった。胴着はくさいし、面と手袋(?)をはめるとその匂いが手や頭にこびりついて取れやしない…、それに加えて戦いたくもない相手と棒で殴りあうわけである。なんでこんなことせにゃならんのかと卒業まで納得いかなかった。

 それが今度は中学からなんだそうだ。しかもほとんどの場合、柔道をさせる(?)らしい。おっと、男子だけではないらしく、女子も同じなんだそうだ。あの安倍元首相が推奨してるっていうんだから、武道でもって忠義の心を育てるってところか…、それも国家への。「今、学生してなくて良かった」なんて、安心している場合ではない。柔道では、文部省自身が“場合によっては命にもかかわる危険なスポーツ”と認め、そういう事故を起こさないようわざわざ注意まで促しているそうだ。死ぬ危険があることを自ら認めているわけだ。なのに、なんでそこまでして必須科目にする必要があるのか…そこには、武道の名を借りた思想教育が見え隠れするではないか!
 これまでも柔道の部活で何人も死者が出ているそうだが、今度は全国全中学生がこれをさせられるわけだ。ちなみに私の子供は小4だが、あと3年足らずでこんな目にあわされるかと思うと不憫でならない。

 さて、二つ目は、なんと原子力についての副読本がさりげな~く教育現場に導入されていること。その本には、「放射能は自然界にもともとあるものだから、少々の放射能を浴びても大丈夫」なんて調子で書かれてあるとか。ある意味事実かもしれないが、教えるならば逆だろう。原発事故の実態と放射能の恐ろしさについてきちんと教え、正しい知識と“恐れ”を身につけさせることこそ重要だ。この副読本は、まさに新手の“安全神話”創作本ではないか!

 ちゃんと子供のことを見ていてやらないと、こんなところにも政府のいろんな思惑が入り込み、いつの間にか洗脳されているということにもなりかねない。橋下の人気にあやかって、調子に乗っている連中がどうも暗躍しているようだ。気が付いたら遅すぎたなんてことにならないよう、改めて戦前の教訓を振り返っておく時かもしれない。

 

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