月別アーカイブ: 2012年4月

労働組合の役割と“アポ方式”戦術考…

 タイトルを見て、「なんじゃそりゃ?」って思われたかな?労働組合の役割とアポ活動と何の関係があるのかと…。実は、大いに関係があるのだ。アポ方式の導入は、労組の提案によって導入されたものだからだ。今では、随分と評判が悪くなったアポ方式なので、これを言うと「労組はなんということを提案してくれたのだ!」とお怒りになるかもしれない。そこでちょっと考えてみようと思ったのだ。

 では、アポを導入した当時を振り返ってみよう。当時、アポ方式を生み出したみやぎ生協をはじめ、それを見習っていち早く導入したちばコープなどでは、“新規加入”が順調に進み、供給高減少に苦しむ他生協をしり目に供給減少に歯止めをかけ、上昇に転じていた。生協労連では、好調の陰にアポありとして全国宅配事業交流会などで紹介し、交流を深めていた。
 その当時、当のおかやまはどうだったのか…、ご多分に漏れず、供給減少に歯止めがかからず、時には〇〇対策などと称して供給対策を講じ、一定の効果はあったものの供給高の長期減少傾向は変わらずにいた。当然、労理交渉でも厳しい回答が相次ぎ、しんどい交渉を余儀なくされていたのだ。
 実はこの時、おかやまコープの戦略の柱は、“新規加入”ではなく“班内拡大”だった。もちろん、新規加入を全く追求しないということではないが、班の平均人数が他生協と比べても断トツで高い実績(それはそれで誇るべきではある)のおかやまは、その組合員の力に依拠し、班組織の強化という位置づけで、“班内拡大”を重点にしていたのだ。
 組合員の力に依拠すること、それ自体は間違いではない。しかし、それは当然、班の人の知り合いや近所の人に限定される取り組みになる。しかし、個別化がすすむ社会環境の変化は、それだけでカバーできるわけもなく、だからこそみやぎやちばではアポ方式の導入で、これまで想定されていなかった単身男性や高齢者世帯(独居含)、ご近所付き合いのない若年世帯などに加入の輪が広がったというわけだ。
 労働組合は、交流会でそうしたアポ方式の情報を得て、理事会に「他生協のように“新規拡大”に軸足を置くべきだ、その戦術として岡山流のアポ方式の導入を検討すべき」と主張したのだ。当時の理事会は、その方式はおかやまにはなじまないと拒否し続けた。しかし、全国の経験には逆らえなかったのか、最後には「労組が持っているアポ方式の情報をすべて教えてほしい」とまで言ってきたのだ。自分で情報収集は出来ないのかと情けなくも思ったが、ほどなくアポ方式の導入となり、その後は皆さんの知っている通りだ。そして、アポ導入直後は“新規拡大”が進み、発行人数も何年振りかに前年を超える実績にもなった。これが宅配事業の供給高減少傾向に歯止めをかけた大きな一つの戦略(新規加入重点)と戦術(アポ方式)となったのである。
 もし、あの時、労組が提案していなかったらどうなっていたのだろう。いずれはアポ方式も導入されたかもしれないが、そのタイミングは決してあの時点ではなかったはずだ。だとすれば、今でも厳しい経営状況はその通りだが、あの時の労組の提案がなければもっと深刻な状況になっていたかもしれないのではないか。
 労組は、反対ばかりするとか、無理難題ばかりを要求するとか、権利ばかり主張するとか、色々とご批判される方々もおられるが、どうだろうか?こんなこともあるんだよっていうことの一つ、アポ方式導入に関わるこの話。これに似た話は、実はいくつもある。パート配送導入問題もそう、過去の産地偽装問題が起こった時もそう、労組の主張や提案がその後にどれだけ役に立っているか…。「労組も要求するばかりではなく、生協の未来を考えるようなやり取りはできないのだろうか?」…以前、職場集会報告書か何かに書かれてあった意見の一つだ。実は、皆さんには見えてない部分かもしれないが(でも、ニュースなどでは書いていると思うんだが…)、ご指摘のような“未来を考える”やり取りが、実はたくさんあった、いや今でもあるのだ。
 しかし、問題は現在だ。始めこそまだよかった(?)ものの、現在のアポ方式の評判はすこぶる悪い。それは当然だろう。何年か前に導入したその時と基本的には同じ方法で今でも運用しているからだ。理事会自身、社会の変化は早く、そのスピードについていかなくてはいけないと言っているではないか。言ってることとやってることが一致していないのだ。すなわち、アポ方式も進化しなければいけない。聞けば、今では“新規加入”が目的ではなく、“アポを取ること”自体が目的になっているような実態さえ漏れ聞こえてくる。では、どんな進化があるのか…、それを考えるのは運営部の仕事だろう。現場が困っている(悪評が立っている)のなら、その情報をいち早くキャッチし、どう改善すべきかを考える…。もしかしたら、悪評が立っていることすら気づいていないのかもしれないが…。
 さて、実は労組もそういう形で経営にも貢献しているのだという話、どう感じただろうか?これも執行部の独りよがり?もちろん、そんなことがあったということを、きちんとみんなに伝えきれていないという弱点は否めない。しかし、労組は業務ラインと違って会議への参加や資料を読ませるうえでの“強制力”はない。いずれも自分自身の自主性によるのだ。つまりは、前述した労組への批判は、そういう自主性を発揮できる労組活動を求める貴重な意見なのだと受け止めたい。

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理事会に再要求を出しました!

 3月27日の全員団交、4/2のスト決行と春闘の交渉をしてきましたが、その後の動きについてご報告します。スト後、理事会からは、「交渉で労組から再回答を求められたが、その全員団交ではやり取りが不十分なままに終わり、再回答するにしても何をどう再回答すればよいか分からない」として、“再要求”なるものを出してほしいとの要請がありました。

 そもそも、なんでやり取りが不十分なままに終わってしまったのか…理事会にもきちんと時間配分を守っていただきたいものです。それはともかく、再要求を出すということになれば、なんせゼロ回答ですから、全項目を再検討してこいということになりますよ…とは言ったんですが、とりあえず先の春闘回答に対する労組見解と再要求を作成し、理事会に提出しました。
 再回答は5月23日(水)になる見通しです。召集対象は中執とセパ分会長です。すでに春闘なんて終わったかのような雰囲気ではありますが、よろしくお願いいたします。詳細が決まり次第、別途案内を送ります。

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なかなかいい味出してるじゃない!草彅君

 え~と、37歳で医者になったとか何とかいう番組、嫁さんが見ていたところにたまたま居合わせて見てしまったのだが…。組織の体面とか体裁とか慣例とか、さらには上司の意向とか組織の都合の悪いこと、割に合わないこと…一般的にサラリーマンが苦悩する最たる部分。草彅君演じる主人公の医者は、そんなことよりも患者やその家族の立場になって、そして本来医者に求められる役割、その信念に従って行動する…それも気張っているのではなく、何か違うんじゃないかと悩みながら行動する医者を演じている。医者の物語ではあっても、閉塞感漂う今の社会…いや、多くの企業が失ってしまったものを問いかけているようだ。もちろん、生協も例外ではないという思いからこの件に触れてみたのだがはたして…。

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ストライキ考…

 4月2日、生協労組おかやまとして久方ぶりの“全員ストライキ”を決行した。以前…そう、6~7年くらい前までは結構毎年の恒例行事のように全員ストでたたかっていた…。しかし、近年では中執や分会長のストにとどめていたため、多くの仲間(特に最近就職した仲間)にとっては、「えっ?ストって何?」「こんなご時世でストをやるの?」って思いが錯綜したに違いない。

 「ストって何?」っていうのには2種類あって、“そもそもストの意味が分かっていない”場合と、“ストのやり方(How to)が分からない”というものがある。後者はそう問題ない。やり方を教えてあげればいいからだ。しかし、前者はそうはいかない。そもそもストとは何なのかを解きほぐして知ってもらう必要があるからだ。
 でもその前に、私たちの賃金や労働条件はどうやって決まるのかということをきちんと理解することが必要だ。それは経営者と労働者の契約で決まる。そしてその契約は、経営者と労働者が対等平等の関係のもとで決めるということなのだ。ところが、労働者の立場は経営者のそれとは圧倒的に立場が弱い。自分の賃金が低いと思っても、社長のところへ一人で乗り込んで行って抗議できるという人はおそらく誰もいないだろう。それはそうだ、「君、明日から来なくていいよ、代わりはいくらでもいるから」と言われればハイそれまでよ~だからだ。
 労働者の立場は、かくも弱いものなのだ。だから憲法28条で、労働者の団結権と団体交渉権、そして団体行動権(争議権)が保障されているのだ。こっから先は、自分で勉強しよう。
 さて、その団体行動権の行使として、「ストライキ」をすれば当然経営に打撃を与える…、というか、そもそも条件を引き出すために打撃を与えるということなのだが、生協の場合のストはちょっと違う。もちろん、思いっきり打撃を与えるストも可能ではある。たしか2007年だったと思うが、藤田商品センターの物流ラインを3日間止めるというストを配置(これを決行すれば、翌日から配達が止まる)し、今日決裂すれば明日からラインが止まるという、それこそぶったまげたストを構えてギリギリの交渉を行ったこともある。その時は最後に理事会が譲歩して、満額とは言えないまでも再回答を引き出して妥結した。まぁしかし、そこまでのストは稀ではある。
 通常、生協労組が行うストは、生協は消費者運動を進める運動体としての側面があるため、組合員の利害を無視したストは基本的には避けてきたのである。それが正しいのかどうかはここでは論ずるつもりはない。しかし、消費者運動も私たち自身の要求を実現するための運動であり、ある意味消費者もその大半が労働者なのである。だから、組合員に直接的な影響を与えるストは避けてきたわけだ。
 これを指して、「自分たちのあとあとの仕事だけが大変になり、理事会にはちっとも打撃を与えない」として、“骨折り損のストライキだ”と批判されることがある。こう思う人たちは、当然、今やってるようなストなんて意味がないと思っているんだろう。ただ、実はそういうストでも理事会には大きな影響を与えているのだ…と私が言っても信用されないかもしれないが。
 しかし、考えてみてほしい。意味がないのでストはしないということになれば、回答に対する不満の思いはどうやって表現すればいいだろう?あるいは、そこからどうやって納得のいく再回答を引き出すという手段があるだろうか。ストをしないということが始めからわかっていれば、私が経営者ならどんなに経営が絶好調で、労働者の要求に応えるだけの十分な原資があったとしても、労働者の言いなりとなるような回答は絶対に出さないだろう。それが経営者のたしなみってもんだ(もっとも、日本でいちばん大切にしたい会社に紹介されている経営者はその限りではないと思うが…)。それは生協とて同じである。
 つまり、はなから「ストはしない」ということになれば、それは「経営者がおっしゃる通りの回答で結構でございます」ということを最初から宣言しているも等しいことなのだ。それでも「仕事が大変になるよりはいい」と思う人は、スト権確立投票で反対票を投じればいい。もっとも、その上で決まったことには従ってもらうということにはなるが…、それが組織というものだし、労働者の団結を守るということだ。
 さて、今回のストに対して、「こんなご時世にストなどやっていていいのか?」という声もあったと聞く。各自がどう思うかはもちろん自由だ。しかし一言いえば、こんなご時世だからこそ、労働者がきちんと暮らせる世の中にするために立ち上がることが必要なのではないだろうか。
 ただ、“こんなご時世”と“回答に不満”ということとは別ではないか?今回の回答についても、労組は何も満額回答をと主張しているわけではなく、11年度頑張ってそれなりの成果も出してきたにもかかわらず、厳しいのは理解できるが、一時金の大幅カットや諸要求のまったくのゼロ回答ってあまりではないかい?という思いを持ってストを決行したわけだ。“こんなご時世”だからたたかうことを遠慮すべきなんであれば、理事会の回答に対しても不満を言うのではなく、「こんなご時世の中でゼロ回答ではあったが、よくぞ回答してくれた!」と褒め称えてあげたらどうだろう?そこまで言えるのであれば、私も「こんなご時世で」の主張に一目置くことができるのだが…!

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備前支部でイチゴ狩り!他の支部でも…!

 去る4月14日(土)、備前支部のレクレーション企画で菊ケ峠近くの西山ファームのいちご狩りに行って来ました。午前と午後の部で大人46人と子供7人の参加がありました。2年前の時はまだ熟れていなくて皿盛り中心でしたが、今回は良く熟れていて「大きくておいしい!」「もう50個食べてお腹一杯!」などみんな大満足でした。私も息子をバイクに乗せて、道中の菜の花畑を眺めたりの2倍楽しんでの春の一日でした。(中執N)
 他の支部でも続々(?)企画中のようですよ。詳しくはお近くの中央執行委員まで。

倉敷支部:5/13(日)イチゴ狩り
備北支部:4/28(土)シイタケ狩り&BQ
井笠支部:4/28(土)イチゴ狩り

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ドジョウはすくえても国民は救えない、ドジョウ内閣!

 4月14日(土)、今日は中四国地連の執行委員会だ。中四地連管轄の単組では、いろんな問題が起こっていて大変である。こうち生協やコープえひめ、鳥取生協や生協しまね…もちろんおかやまも例外ではない。あまり詳しくは書かないが、法律を無視したり、知らなかったりする経営者のいかに多いことか…。民主主義の学校と言われた生協はいったいいずこへ????

 そんな議論をしながら、昼休みには岡山駅西口で“最賃引き上げ”“消費税増税反対”訴えて宣伝行動。山陰や四国から来た仲間は「岡山駅って人が多いなぁ…」とまじまじと感心したり…。村上地連書記長の押し付けがましい演説を聞きながら、ティッシュ配りと署名のお願い、「あなたの時給はどんだけ~?」のシール投票に取り組んだ。正味30分の宣伝だったが、29筆の署名が集まった!これって結構反応良!

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日比谷野音に5000人集まると…!

 4月12日、消費税増税反対で中央集会が開催された。全国から日比谷野音に5000人!が集結し、会場は立錐の余地もないほどに。野音にこれだけ集まったのも久々だ!それほど消費税増税に国民は怒り心頭なのだ!中四国地連からは、私の子供も含めて6名の参加だ。えっ?もちろん子ども分は自腹ですよ。
 次は6月23日(土)に中央集会だ。今度明治公園で5万人規模!予定では通常国会終盤で消費税法案が山場…いやいや、解散総選挙になってっかなぁ!!

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生協労連 アンケート調査へのご協力を!

 生協労連では、6月30日~7月1日に生協政策研究集会(プレ企画)を予定しています。そこでは、これからの生協について、その存在価値や社会的役割、事業的展望や労働のあり方(労働実態)などを討議します。
 大震災では、いち早く支援に立ち上がり、社会的にも注目された生協。支援に入った仲間は、助け合いや協力・共助、地域の人のつながりなど、生協でも掲げている理念の大切さを実感しました。しかし、ひとたび現場に入れば、業績数値・成果に偏重した風潮や時には人間性をも否定するようなパワハラ言動が聞こえてきたりと、震災支援の時のそれとは隔世の感があります(言いすぎでしょうか?)。
 そうした職場環境の中にありながら、第一線で奮闘する生協の多くの仲間が、普段何を考え、生協の仕事についてどう思っているのか、全国的な生協労働者(委託や派遣の仲間含)の意識調査アンケートを実施します。職場には、2人に1人の割合でアンケート用紙を配布していますので、ご協力をお願いいたします。

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