それにしても、お役所ってところは…!

 11月30日、岡山労働局に地方最賃審議委員の選挙公示のあり方などについて抗議の要請を行った。地方最賃審議会は、毎年中央審議会の答申を受けて、その地域の最低賃金を論議する審議会である。すなわち、私たち労働者の賃金の土台はこの審議会が決めていることになる。審議会は、使用者側委員と労働者側委員、それに公益委員の三者からなり、それぞれ立候補という形で委員の募集がされ、労働局が任命している。
 抗議によって、公示のあり方などについては若干の前進回答は得られはしたものの…

 私たちは、長引く不況や貧困と格差の広がりから脱するためには最低賃金の引き上げとそれに伴う中小零細企業への支援策の拡充こそが必要だと運動を進めてきた。生協労組の上部団体である県労会議でも毎年委員を推薦・立候補させ、労働局に任命を求めてきた。結果はいつも連合系労組の委員独占という形となり、闘う労働組合のローカルセンターである県労会議の委員が任命されたことはない。それでも毎年候補者を推薦し、今年も生協労組の高木副委員長を推薦・立候補させる準備を進めていたのだ。

 ところが、今年はこの公示を把握することができず、立候補ができなかった。これまでは労働局から「公示しました」旨の連絡を頂いていたのだが、賃金室長が代わってからは「特定の団体にのみ連絡するのは公平性を欠く」との理由で連絡されなくなったので、その時期になるとほぼ連日労働局に連絡を入れ、公示の有無を確かめざるを得なかったのだ。ところが、ある日の問い合わせで「もう公示は終わりました」と言われ、立候補できなかったのである。

 「特定の団体のみ…」というのは、もっともらしい理由に聞こえるが、実は、その公示文書、通常は一般市民にもその気があれば知ることができるように、庁舎の外の掲示板に公示する義務があるし、それでこそ最低限の“公平性も保たれる”というものだ。しかし、今の労働局はそれすらも怠り、庁舎内の賃金室事務所の出口横の掲示板に張り出しているだけだったのである。

 労働局(合同庁舎)を訪れたことのあるものなら、その警備の物々しさは感じているはずだ。庁舎入口には、電車の改札のようなゲートがあり、不審者はもちろん、要のないものは例え市民であっても入るべからずって感じで、いったい誰の金で仕事してると思ってんだと言いたくなるほどの厳重ぶりだ。掲示はその奥の事務所の前である。誰がわざわざ入って確認しようと思うだろうか。

 そういう“公平性”を保つ努力は怠る一方、「特定の団体に…」とのたまうわけだ。ところが、他県では立候補の意思表示をしている労働団体に対しては公示のお知らせをしてくれている労働局は結構存在する。そこで、頭にきた私は、「じゃぁ、他の県の連絡してくれている労働局に対して、あなたは“その労働局は公平性を保った対応をしていない”と主張するわけか?」と問い詰めた。室長は口ごもってまともな返答はできなかったが、公示についてはHPでの告知と外の掲示板への掲示も行う方向で進めると答え、連絡については他県の労働局に問い合わせると答えた。

 労働局というところの本来あるべき仕事は、その地方の労働者の権利や環境が守られ、働きやすい環境を整えるために尽力するということではないか。だからこそ、労働者は行政執行のために税金を払っているのである。お役人のすべてがそうだとは思わないが、岡山労働局の方々には改めて自らの仕事の“使命”を見つめなおしてほしいものである。

 余談だが、こうした抗議・要請には当然文書をもって行う。ところが、岡山労働局の内規だそうだが、こうした要請に対する回答は決して文書では返さないという。もちろん、多くの要請にすべて文書回答していれば、それはそれで大変かもしれない。しかし、それがさも当然のように「文書では回答しません」などと、一体どういう立場でものを言っているのかと感じてしまう。市民に対しては、何かの申請ひとつするにでも文書をいっぱい書かせて、不備があれば突き返す(…東電か!)。こんなだから公務員へのバッシングがやまないのだ。大変でも市民の声に一つ一つ丁寧に答え対応する、そうした職員がいることも事実だが、幹部になればなるほどそれとかけ離れているように思う。公務員バッシング…、“的を得ていない批判”と言う前に、特に幹部連中には自らの姿勢を問いただしてみてほしいものだ。

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