いざ開幕!“プチ”小泉劇場、第2幕!

 注目された大阪市長と知事選挙。いずれも維新の会の候補が当選しましたね。まぁ、大阪府民と市民が決めたことですから、あれこれ言いたくはないのですが、これからの大阪の行く末を考えると、暗澹たる気持ちになりますなぁ…。

 府知事時代、私学助成の陳情に行った高校生に対し、「日本は自己責任の国、気に入らないなら日本を出ていけばいい」と言い放った橋下氏。府議会で少数会派の質問に対し、「多数を取ってから言え!」と言い放った橋下氏。

 当選後の会見でも「民意に従わない職員は去ってもらう」と、“選挙に当選したら何でもできる”、“当選した私こそが民意であり、その民意(私)に従うのは当たり前”とばかりの持論を展開する、本来なら法律を守るべき元弁護士。この発想に「職員基本条例案」や「教育基本条例案」の本音が透けて見える。

 確かに威勢はいいし、知名度も抜群、テレビ番組ではその毒舌が評判で、ある意味面白いかもしれない。しかし、地方自治のトップに立つ人物が、こんな低レベルの発言を恥ずかしいとも思わず、むしろ“だから政治は変わらないのだ”とばかり開き直る人格の持ち主。

 こんな人物が大阪市のトップに立つのだ。大阪市民が気の毒でしょうがない。

 結局、彼の主張は小泉元首相と同じで、勝ち組の連中がさらに栄えて元気になり、負け組はそのおこぼれが貰えるから少しはマシになるっていうエセ改革論でしょ。それで、その自分の思想に反する考えは“抵抗勢力”だの“既得権益にしがみつく連中”だのと罵倒し、劇場型政治で庶民の目をくらましているってだけじゃんねぇ。

 小泉時代の“構造改革”だの“既得権益の打破”だの“自民党をぶっ壊す”だの、威勢のいい言葉にあれほどまでに踊らされて、気が付けば貧富の格差が極大化して、貧困層だのワーキングプアだのとさんざんな目にあわされて、なんかいいことあったのかしら?郵政民営化でなんかよくなったのかな?ん?…それで少しは目が覚めたかと思いきや、またも同じ手法と話術でやられちゃったってわけですね。小泉=郵政民営化、橋下=大阪都構想、どこが違うの?

 まぁ、これからその第2幕が始まるんでしょうが、これまで書いてきたような危惧は、実は単なる私の勘違いで、4年後、10年後には“素晴らしい大阪になったぞ”と言われているのかもしれません…。

 岡山の田舎もんが何を言うかと叱られるかもしれませんが、将来の大阪が少しでもそうなっていることを心よりお祈りしておきたいと思います。

追記…選挙にさえ勝てればよいのか、開票結果の判明直後から維新の会へ秋波を送る“既成政党”があちこちに。まぁ、維新の会の議員さえ、橋下人気にあやかりたかった元“既成政党”の連中ばかり…、時経てば人も考えも変わることもあろうけど、どいつもこいつも無節操な輩ばかりですねぇ…。

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いざ開幕!“プチ”小泉劇場、第2幕! への3件のフィードバック

  1. 宅配事業方針 のコメント:

    あまり人が言わない事ですが、「橋下劇場」ってマスコミというか、NHKが煽っているような気がしてなりません。
    だいたい「維新の会」という名称そのものが、竜馬のオマージュに他ならないし、12月からは「坂の上の雲」が再開されるし。
    しかし司馬遼太郎が軍国主義者であるという主張には汲みしない私です。
    確かに日本には、明治初期とロシア戦争時、途轍もなく元気があり、主体性があった時代があった訳で、それはそれでエポックメイキングな時代だった訳です。
    NKHはこの時代の閉塞感に、戦後の閉塞感に通じるものを感じて(多分)司馬遼太郎の作品を映像化しているんだろうと思います。
    でも、今の日本って、そんなにドラスティックな「改革」を必要とするほど「悪い」んでしょうか?
    「革命」で世の中の矛盾がいっぺんに解消するというファンタジーは、左右両陣営、捨てた方が良いと思う。
    #NHKには願わくば、藤沢周平の作品をリメイクでもしてもらいたいところですが。(これは独り言です。)

    • ハイサイおじさん のコメント:

      今の状況は「何となく悪い」と感じている人が多いということでしょう。だけど「何がどう悪いのか」ということについてはよくわからない。だから「改革」とか「維新」と言われると熱狂してしまう。
      大阪都構想には一長一短あるとしても、それ以外の政策は多くの庶民にとって決して良い話ではないでしょうに。
      「小泉改革」に、それによって最も痛い目にあわされることになる若者が熱狂したのも似たようなものです。

  2. 宅配事業方針 のコメント:

    大阪市長選挙には私もがっかりさせられました。
    日曜日8時に大河ドラマが始まった途端に、「橋本当選確実」の字幕がテレビに流れたわけですから。
    昔(昭和時代)読んだ漫画で、世界を変える魔法を手に入れた少年がいて、「これで僕は世界の『善い』独裁者になるんだ。今までの独裁者は悪い人間がなっていたからいけなかったけど、『善い』僕が独裁者になるんだから世の中は必ず良くなるんだ」と叫ぶシーンがありました。(「どらえもん」か手塚漫画かのどちらかと思う。)
    まさかこの平成の世において、かような稚拙なファンタジーを信じる人間が居ようとは思いませんでした。
    大阪以外で、平松さんを援護射撃していた人は沢山いましたが、「グローバリズム」という論理そのものをガラパコス化として批判したこの人
    http://blog.tatsuru.com/2011/11/24_2042.php
    ほどスルドイと思った人は居ません。
    参考までに。

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