日別アーカイブ: 2011年9月8日

TPPは復興の障害〜東北6県の生協連会長〜

 9/8付赤旗新聞の報道によると、東北6県の生協連会長がTPP(環太平洋連携協定)は東日本大震災で被害を受けた農林水産業の復興の障害になるとして、交渉の参加に反対する声明を発表したようだ。震災前から、東北の生協ではTPPに反対する動きが顕著で運動も大きく前進していた。みやぎ生協などでは、労理一体となってTPP反対の署名運動を展開し、何万という署名も集約していたところだ。だから、そもそも初めから反対の意思は明確で震災を受けてもその本質は変わっていないが、さらに復興にさえ障害になるとの思いで今回の声明となったのだろう。

 それにしても、さすが第一次産業が中心の地域の生協だ。TPPへの参加が地元地域にどれだけの影響を及ぼすか(もちろん、TPPの影響は第一次産業だけではなく、日本の産業構造を根底から転換させるほどの全国に影響がある問題ではある)に非常に敏感だし、機敏な対応だ。
 このHPでも、TPPについてはずいぶん論じてきた。食を扱う生協にとって、しかも安全安心を謳う生協にとってこのTPPの問題は死活問題だと思うし、ゆえに東北6県の生協連が反対運動を強めたり、声明を発表するのも当然だと思う。
 震災で大変な地域なはずの生協がこうして反対の御旗を立てて大奮闘しているのに、他の地域の生協はいったいどうなっているのだろう。他の生協からは、東北の生協連が発しているような声が一向に聞こえてこないのはなぜなんだろう。
 TPPに反対するのは「震災復興に障害」なるからではない。それは理由のうちの一つであって、根本的な理由はTPPへの参加は日本社会や経済の在り方を根底から覆される可能性がはらんでいるからではないのか。
 一部の生協はTPPに対する姿勢を明確にし、一部の(いや“多くの”か?)生協は沈黙を守る…野田新政権になって、またぞろ増税やTPPなどの規制緩和路線に舞い戻ろうとしている昨今、今また、生協の存在価値が問われていると思うのは言い過ぎだろうか。将来、「あの時あなたの生協は何をしていたのか?」と恥ずかしい思いをしないで済むといいのだが…。

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