1/3の初売りと、理事会の約束と現場の実態、それから“生協らしさ”とは…

 7月14日(木)オルガ5F会議室で、1月3日店舗営業提案に関する団体交渉が開催されました。北畝を除く11店舗と店舗本部の仲間、11年度中央執行委員など41名が参加しました。この提案は、合意には至らなかった昨年の提案に、昨年の交渉で出された職場の意見などに対する理事会の見解と、「1/3の代わりの休み(2連休)を配慮する」などの加筆・修正がされたものでした。

 最初に、理事会から加筆・修正部分を中心に改めて提案説明を受け、その後、意見のやりとりに入りました。最初はなかなか声が出なかった交渉団ですが、店舗ごとに順番に発言を促すと次々に意見が噴出しました。出された意見のポイントは、①全員出勤問題、②代わりの休み取得のための体制保障問題、③初売り準備のための早出出勤問題と開店時の売り場水準問題、④開店時間問題、⑤これら①②③の問題で現場レベルでの徹底問題(要は理事会が約束しても現場では守られない実態があるという事実)、⑥食品中心の生協における正月営業の企画(イベント)問題の6点です。これらの声は、開店する場合に想定される問題であり、それに対して理事会はどう対応するのかを問う意見でした。

 一方、1月3日を開店することそのものが生協らしいといえるのか?という、生協のあり方の本質を問う声も少なくありませんでした。理事会の「生協組合員のために開店したい」という主張に対し、「私たちも生協組合員」であり、「理事会の言う“開店を求める声”ばかりではない」と、「店に来られる組合員からも、“正月の3日間くらいは休んだ方がいい”という声が寄せられている」といった声も紹介されました。

 これらの声に対して理事会は、①あくまで全員出勤というしばりはかけない(現在(1/4)でもかけていない)し、②本部支援やアルバイトの配置などで休みを取る人の人時を確保すること、③部門によっては“早出”のお願いをしているところもあるかもしれないが、売り場水準は必ずしも100%揃っていないといけないということではないし、現状でもそうなっていないのが実態、④今の9:30の開店時間が“早出”せざるをえないことの原因であれば、10時とか10:30位までの範囲で初売りの開店時間を変更することは検討できること、⑤現場における約束の履行は引き続き徹底していきたい、⑥現在岡山県内の競合の食品スーパーでも1月3日は開店しており、それだけを見ても需要はあると考える…といった回答を行いました。また②に関連して、店長会議で鴨方の店長から「1/3を営業させてもらえるなら、たとえその代わりの休みが3連休であっても必ず取得してもらいます」という力強い発言もあったことも紹介されました。

 こうした回答に対し、「理事会は今でも全員出勤のしばりはかけていないと言うが、実質的に全員が出勤しないと初売り準備に間に合わない実態がある。また部門によっては“しばり”をかけている部門もある」という声や、理事会が店長の言葉を紹介した鴨方の仲間からは、「年休申請の際にその理由を聞かれ、“労組からは理由をいう必要はないと聞いている”と応じると、その店長は“優先順位があるから”と答えた」との発言がありました。理事会から紹介された同じ店長の言葉とは思えない実態は、理事会の言うことと現場の生の実態との乖離を示しており、これがまさに“理事会が約束したことでも現場では履行されない”という極度の不信感につながっている根本的な原因だと感じさせる場面もありました。

 生協らしさの問題について理事会は、「では、何が生協らしいのかを考える必要がある」として、「確かに3日間くらいは休むべきとの声があるのも事実だとはおもうが、インフォメーションに届く正月開店日の問い合わせの実態を見ても開店して欲しいとの声があることも事実、生協らしさとはそういう声に応えることではないか」と答えました。

 しかし、その論法でいくと元旦であれ、1月2日であれ、“開店して欲しい”との声があれば、それに応えることが“生協らしい”ということになってしまいます。3/11の大震災以降、これまでのような365日24時間社会というエネルギー大量消費型の社会でいいのかという議論が沸き起こっていることや正月文化や伝統を守り発展させていくことの大切さを考えた時に、そういう便利さだけを求めての“開店して欲しい”という声に単純に迎合していくことは決して“生協らしい”ということではないのではないでしょうか…。ただ、現実的な競争社会に身を置き、その競争相手のほぼすべてが3日を営業しているという実状をまったく無視して…ということにもならないとは思いますが…。

 さて、今回の交渉は、昨年の交渉と比べてより突っ込んだやりとりができたのではないかと思っています。しかし、だからといって合意できるという結論が出せるような状況ではまだありません。それに交渉には多くの仲間は参加しておらず、その現場ではまだまだ反対の声が多いのも事実です。
 執行部は、今回の交渉を踏まえて今後の論点をまとめ、職場討議資料を作成、それに基づいて改めて職場に論議を呼びかけることを提案し、了承されました。各店舗分会では、近日中に配布される討議資料を基に職場集会を開催し、1月3日営業について改めて議論を進めていただくよう呼びかけるものです。

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1/3の初売りと、理事会の約束と現場の実態、それから“生協らしさ”とは… への2件のフィードバック

  1. やっぱり のコメント:

    「1/3を営業させてもらえるなら、たとえその代わりの休みが3連休であっても必ず取得してもらいます」と上に向かって言い、下に向かっては年休の取得理由を質すというような人が理事会から評価されるのだということがよくわかりました。
    信用ならん組織です。

    • オーランチオキトリウム のコメント:

      今の地位にしがみつきたい、彼も必死なんでしょう。
      信用ならん組織ではありますが、「もう元旦から営業しましょう!」31日のめんどうな見切りもなくせるし、年始の一からの立ち上げもしなくていいので逆に楽になるでしょ。正月三が日コープに客なんか来ませんよ。レジだけしっかり人時があれば1、2日の部門は最小人時でいけるでしょう。

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