本日(6/14)の山陽新聞の記事について

 今朝の山陽新聞をご覧になりましたか?CSネットに公正取引委員会が入ったというニュースが掲載されていました。この記事に対するコメントが出てるかなと、CSネットやおかやまコープ、コープひろしま等のサイトを眺めてみたけど、コメントは発見できず。ならばと一言コメントを。

 内容は、下請法に違反するリベートを“チラシ掲載料”とか“情報処理料”などと称して受け取っていたということ。すでに2月に調査が入っていて、近く勧告が出される見込みで、CSネットは取引先への返金などで1億3千万を引き当てるという内容だ。

 実は、公取が調査に入ったということは3月29日のCSネット労理懇談会で労組側にも報告され、生協労組おかやまでは3月30日の第10回中央執行委員会で報告されている内容だ。いずれ勧告となる可能性も指摘されていたことなので、私自身は特に驚くことではなかったのだが、何も知らない一般の労組員が読んだらどう感じただろう。

(しかも、おかやまコープの総代会の当日の新聞に3ヶ月以上も前のことを記事にするのは、何か意図があってのことなのか…??もっとも、“勧告”となったのは“今”かもしれないのだが…、ん~これは単なる私個人の憶測であり想像です…)

 CSネットは、お互いに納得していた商慣習だと考えていたとしているが、普段、コンプライアンスだ法律遵守だと口すっぱく言われ続けている現場からすれば、“なんじゃそれ”みたいにならないだろうか…、少し心配である。

 話はちょっと変わるが、先日の生協労連中央執行委員会で、来年度方針を検討する論議の中で、私はこんな発言をした。「池上彰の番組などで、生協の支援活動が取り上げられ、高く評価された。確かに生協の支援活動は誇りにすべきことだし、高く評価もされるに値するとも思う。しかし、被災者に対してあんなに親身になり、身を寄り添って支援が出来る組織や職員であるのに、なぜ、自分の隣にいる同僚や部下に対してはパワハラや時には人権をも侵すようなひどいマネジメントが出来るのだろう。マスコミなどで生協の活躍が取り上げられ、天まで持ち上げられることをいいことに、そうした自分の組織の中の問題が見えなくなり、“やっぱり生協はすばらしい組織だ”などと勘違いする幹部が増えなきゃいいけど…」

 方針と何の関係があるんだ?と思われるかもしれないが、やっぱこの問題は生協の体質というか、組織的な問題だと思うのだ。被災者には親身になれるわけだから、本当はすばらしい人達が集まっているのが生協だと思いたいわけだが、しかし現場ではそうなっていない…、ここの問題を労組としてえぐり出していかなきゃいけないのではないかなぁという私の問題意識なのである。

 余談だが、その労連中執の議論の中で、こういう指摘もあった。「震災の時、沖縄にも津波警報(注意報?)が出されていたが、沿岸部にあった電話受付センターでは、避難もせずに通常通りの業務が継続されていた…」、その他にも、「本震後の震度6前後もの余震が襲った際でも、ある生協では職員の安否確認すらとられず、非常時対応マニュアルが何の役にも立っていない、機能していない事態が明らかになった」という話。こういう話を聞くと、自分とこの従業員を何と思っているのだろうと勘ぐりたくもなる。

 さて、今回のCSネットの問題でも根っこにはそういう問題があるような気がしてしょうがないのだ。立場と地位を笠に着て、無理難題を押し付けていたことがもたらした結果なのではないかと。

 以前にも紹介した“日本で一番大切にしたい会社”には、企業(経営者)として大切にしないといけないものは、まず第1に従業員とその家族、そして2番目に下請や取引先の企業やその従業員と家族、3番目に顧客、4番目に地域、最後5番目に株主と書いてある。これは優先順位だ。生協に置き換えれば、3と5が組合員にあたる。

 なんと、年がら年中いわれている“組合員のために”、“組合員へのお役立ち”というのは、3番目と5番目なのだ。ここの発想の違いこそが、今の多くの生協の職場に現れているマネジメントの深刻な問題の原因ではないのか。

 震災の前と後では、この問題の位置づけが少し変わる…というか、問題点が浮き彫りになったといえると思う。震災は、“何とかしたい、何か出来ることはないか”という協同・共助の人間性を、実は職員一人一人は備えているということを浮き彫りにした。じゃぁ、それが職場で体現できていないとしたら、その原因は個人ではなく、組織の側にあるとしかいえないのではないだろうか。皆さんはどう思っておられるのだろう??

 労組にはそのことを浮き彫りにし、改革していくことが求められているのだと改めて強く感じた本日の記事であった。

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本日(6/14)の山陽新聞の記事について への4件のフィードバック

  1. GTO のコメント:

    本音で言えばCSネット限らず他の生協も大なり小なり同じ事をしています。誰か(たぶん関係者)が耐え切れずにチクったとしか思えません。生協と取引をしている会社は、草創期には中小の地場企業で構成されていて、本当の意味で組合員の暮らしを守る活動を心底考えながら活動をしてきていたと思います。生協の伸張と同じように、又取引先も大きくなりいつしかビジネスが優先される様になり、一般の企業と同じような取引形態が当たり前になってきた事と、無縁ではないと思います。
    特に、生協の業者会などは、同じ企業がどこに言っても幹事やら部会長やらについていて発展性が殆どないのではないでしょうか? もっと活性化できる方法が必ずあるのではと・・・・・

  2. akihiko のコメント:

    非常に感じ入るところが有る内容です、私達も生協さんへ納品させていただいていますし常々の組合員活動や被災地への支援など本当にすばらしい組織だと思っています、取引いただいている事に感謝いたしております。しかしこのご指摘の様に生協さんのバイヤー様やその対応について疑問を抱く事が多々あります。また私共企業もご指摘のとおり優先順位が違っているのでは無いか?と思える事が多々あります。全体の方針の中で個々への配慮や個人や家族を守るという方針を打ち出しているのですが、個人より社が第一というのが前面に出ます。働いている従業員達はどうなのか?矛盾を感じつつやっていると言わざる得ません。「日本で一番大切にした会社」と呼ばれるように努力していきたいと強く思う次第です。

    • nishizaki のコメント:

       ご投稿ありがとうございます。文面からして、私どもとのお取引先様…、つまり生協の組織外の方からのご投稿と推察いたします。生協外の方にも閲覧していただいていることの何よりの証拠として、驚きとともに感謝を申し上げます。
       生協の組織は、最近のIT・ベンチャー企業などは別にして、非常に若い組織だと思っています。おかやまコープでは、定年退職者もほとんどおらず、一定数の定年退職者が発生するまであと数年を要します。つまり、企業の歴史そのものがまだ浅いのです(生協運動としての歴史は長いのですが…)。
       若い組織だから“ひどい”とは言いませんし、“若いから仕方がない”とも言いません。しかし、“起業”間もない80〜90年代に急成長を遂げた生協陣営の多くでは、人材育成に手間暇かけることを怠って(私にはそう見える)きました。その時代に育った(?)年代が今の主だった幹部を担っているわけです。つまり、彼らはマネージャーとしての教育を十分受けないままに、急成長時代の“いけいけ!どんどん!マネジメント”の感覚をそのままに大きくなっってしまった言わば犠牲者ですね。ただ、マネージャーのありようも時代とともに変化しているので、“教えてくれなかった”では済まされず、自らの学習と自己研さんが必要なのはいうまでもありませんが…。
       私自身は、幹部の育成に失敗したのが今の生協の姿であって、理事会は一刻も早くそのことを自覚し、組織を改革することが必要だとの問題意識を持っていますが、なかなか意が伝わらないというのが実情です。まぁ、粘り強く頑張っていくしかないということでしょうね。ただ、「これからにご期待を」とも言えないところが恥ずかしい限りですが…。それにしても“バイヤー様やその対応について…多々あります”というのは、なんともはや、お詫びするしかございませんです…。

  3. ハイサイおじさん のコメント:

    「組合員のために」が絶対化され、労働者も業者も二の次になる傾向はずっと昔からあります。その結果、地域社会からどう見られることになるのかを考えないのでしょうか。

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