日別アーカイブ: 2011年1月9日

昔のバンド仲間の体験談…やっぱ、立派な理念だけあってもダメなんだよね!

 1/8、昔一緒にやってたバンドのLIVEが岡山デスペラードであった。訳あって私は昨年(だったかな?)のLIVEに参加したあと脱退したのだが、昔やってた曲が演奏されると、つい昔が思い出されて胸が熱くなる。まぁ、私の戯言はこれくらいにして、その仲間からひどい話を聞いたのでご紹介する。

 私たち(…と言ってもすでに私は抜けているが…)のバンドはスパニッシュハーレムと言い、当時(1990年頃)の岡山のアマチュア音楽シーンでは、結構名の知れたバンドだった。そんなこんなで皆で上京しようということになり、当時勤めていた仕事を一切投げ捨ててメンバー6人全員が横浜へと移住した。そして夢破れてバンドは解散するということになるわけだが、最終的には6名のうち4名が岡山へ戻ってきた。私もその一人である。
 当然、仕事を探さなくてはいけないのだが、私はしばらくの間花屋のアルバイトを経て生協に出戻った。まぁ、その時の非難の嵐は言うまでもない…。で、写真のサックスを吹いている男(右端)だが、彼は知人と運送会社を立ち上げ、しばらくはそれで飯を食っていた。しかし、不況のあおりで経営が立ち行かなくなり、会社をたたみ、なんと某大手バス会社にバスの運転手として中途採用されたのだ。大型免許を持っていたことが功を奏したらしい。なんでも資格は持っておくもんだと感心した。
 ところがだ。今日ライブで会って彼と話をしたら、昨年の12月で退社したという。「なんで?」と聞くと、「とてもしんどくて続けられない。辞めてせいせいした!」と言うのだ。彼の話によると、経営者は非常にワンマンな社長で、休みは14日(2週間)に1日だけ、さらに1日10数時間も働かされていたんだそうだ。写真ではわからないかもしれないが、がたいはデカく、体力には自信ありって彼が、「もう、しんどくてつらかった」と言うのだ。それである日、あまりに疲れがたまって、バス停で待っていたお客さんを見過ごしてしまったということが連続して起こったらしい。それをとがめられて“辞めろ”と言われたらしいのだ…というわけで、一応“解雇”という形になったので、今は雇用保険でしのいでいるらしい。
 さて、お客さんを見過ごしたことは確かに良くない。しかし、そんな働き方をさせられていたら、起こるべくして起こったことではないか。もっと言えば、バスでお客さんの命を預かっている運転手の労働実態がそんなようであれば恐ろしくて乗れたもんじゃない。
 この会社の表町バスセンター(天満屋バスステーションではなく、電車通りに面している)には、でっかい看板で会社の理念と言えるような文言が掲げられている。まじまじと見たことはないが、そこには素晴らしい理念が掲げてあったことは間違いない。要は外面はとってもいいが、従業員に対する扱いは極めて非人道的な会社だということだ。「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者に言わせれば、そんな会社はいずれ淘汰されるのである。
 このバス会社には、当然のごとく労働組合はなかったらしい。辞める前に相談してくれていれば、関連一般労組を紹介することもできたのだが、残念だ。まぁ、彼のことだから労組には入らないかもしれないが、1日も早く次の仕事が見つかってくれることを願ってやまない。もちろん、上記のような会社ではない、まっとうな仕事に。

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