日別アーカイブ: 2010年12月8日

あまりにひどい!日本の労働者の実態~生協労連第92回中央委員会~

 12月8~9日にかけて、東京都内で第92回中央委員会が開催されています(現在進行形)。全国から約80名が参加、秋闘の中間総括と2011年春闘に向けての方針を主なテーマに論議しています。
 議事に先立って、労働問題研究家の筒井晴彦氏から、日本の労働者の実態についての学習講演がありました。世界各国のそれと比較した非常に分かりやすい資料が示され、日本の労働者のそのひどさ、劣悪さが浮き彫りになりました。

 中央委員会では、その後、渡辺書記次長から秋闘中間総括の報告、鈴木書記長から2011年春闘方針四役案が提案され、春闘論議がスタートしました。
 今年の春闘の柱は、最低賃金の引き上げと組織拡大の課題、そして生協の展望を切り開くたたかいです。労働者の所得が激減し、貧困と格差が広がるなか、それに歯止めをかけるのは最低賃金引き上げであり、一刻も早く全国一律最低賃金制度の確立と時給1000以上の実現を具体的に目指していくこと、労働者に対する資本の容赦ない攻撃に反撃する最大の力は労働組合であり、この間の派遣切りへのたたかいがそれを示していること、これに確信もって仲間を増やしていくことの重要性を論議しました。また、経営の厳しさを打開する展望を示すことの出来ない現状を打開し、働くものの立場から日生協の2020年ビジョン論議にも呼応しながら大いに議論を進めていく取組みも大きな柱です。
 さて、それにしても筒井氏の講演によると、日本の労働者の働き方は本当に異常だ。一例を挙げれば、まずその象徴となっている非正規労働者は、全雇用者に占める割合でダントツの37%超!ヨーロッパの国々では高くてもスペインの29%、他は大体10%前後だ。
 大手自動車会社に占める非正規の割合も、プジョーが8.5%、ダイムラー(ベンツなど)が3.5%に対し、トヨタは20%!この20%の労働者が、ちょっと景気が悪くなるだけで切り捨てられていくのだ!
 その他、失業給付水準でも、最低賃金水準でも、企業が負担する社会保険料の負担率でも、残業時間(労使協定含む)でも、どの指標においても圧倒的に日本の劣悪さが際立っている。
 面白い指摘もあった。協同組合の役割について、国際労働機関(ILO)は2002年に「協同組合の促進に関する勧告」を採択、この勧告によって、協同組合の促進がディーセントワーク(人間らしい労働と訳す)の実現というILOの新しい活動に全面的に合流することになったという話。つまり、非正規から正規への転換が求められる今日、協同組合が「ワーキングプア」を作ってはならないということであり、政府は、非正規を正規に転換するという協同組合の役割を促進しなければならない…ということなのだが…実態は、はて?さて??
 さぁ、来春闘における労働組合の役割がまさに試されることになりますね!

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