日別アーカイブ: 2010年12月6日

さて、日生協2020年ビジョンで展望は生まれるか?〜第3回生協政策研究集会〜

 12月4〜5日、東京渋谷コーププラザ(初めて行ったけど、これがまたすんごい建物でした!)において、3回目となる生協政策研究集会が開催された。現在、日生協は2020年ビジョンの策定に向けて、その第一次案を発表し、さらなる全国論議を呼びかけている。ここ岡山でも、職員や生協組合員のワークショップが開催され、WEB上でもその様子が公開されている。今回の集会は、その一次案をもとに、働く側から20年ビジョンを考えることを趣旨とした集会だ。
 おかやまからは私を含む4名(中執、B長、配送パート各1名)が参加した。

 集会を主催した生協労連の生協政策委員会では、日生協の論議開始と同じくして、働く者の立場からの20年ビジョン論議を進めてきた。もちろん、開始時点ではまだ“案”はできておらず、「20の論点」という問題提起の文書をもとに論議してきた。その経過については、過去の記事を見てほしい。
 さて、集会の初日は、「これからの生協と労働組合の役割を考える」と題した佐高信氏の講演から始まり、コープネットの土屋専務から2020年ビジョン一次案の報告、最後に労連政策委員会からの20年ビジョンに対する問題提起を行った。それぞれの詳細は書ききれないが、佐高氏は小泉政権以降進む構造改革、新自由主義路線を痛烈に批判し、公益は費用対効果だけでは計れないとし、協同組合が持つ性格にその役割が期待される旨を話された。
 2日目は5つの分科会に分かれ、私は日生協の矢野専務を迎えての「20年ビジョン徹底討論」分科会に参加した。政策委員としての主催者側という立場でもあり、冒頭で20年ビジョンに対する「生協の現代的存在価値、役割」についての問題提起を行った。一言で言えば、「今回の20年ビジョン一次案も、その内容のほとんどはビジョン(理念)の提起ではなく、10年後に生き残るがための“ミッション(戦略)”や“アクション(戦術)”の内容でしかない。しかも、その内容すらも10年後の姿というよりも明日にでも実現できていないといけないような内容が多い。ビジョンの前提となる情勢認識も現状肯定(やむなし)型であり、これでは生協の存在価値の展望はなかなか見えてこない」と指摘した。
 これに対し、矢野専務は、「先の2010年ビジョンは、その時代の情勢を反映して、ビジョンというよりも確かに事業戦略的な指針としての性格が強かった。しかし、今回の20年ビジョンでは存在価値を含むビジョンへの思いが、実はちりばめられている」として、人と人、地域、階層といった“つながり”をキーワードに、生協の現代的存在価値の議論についての到達点を披露した。そして、その思いが「行間に詰まっている」と評した。
 これだけ読んでも、“なんのこっちゃ?”と思われるかもしれない。それに、一次案の文書を読んだだけで、矢野専務が言う“行間”を読み取るなんてことは不可能に近い。…が、矢野専務の“思い”も含めて、10年ビジョンの時の議論とは少し様子が違うことは感じ取ることができた。そうはいっても、まだまだ一致できない部分もある。でも、今後の議論のありよう次第では、少し希望が持てそうな気もした。そう感じられただけでも今回の集会を開催、あるいは参加してよかったと思う。
 なかなか、日生協の幹部とやりあうなんて機会はめぐってこない。だからと言って、今後の生協陣営の指針となるだろう20年ビジョンの論議に全く無関心というわけにはいかない。職員をはじめ、生協組合員の皆さんもぜひ積極的なかかわりを今後も追及してほしいと思う。まずは、日生協のホームページにアクセスだ!

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